雪崩レスキュー研修会<八幡原>
【日程】2023年2月12日
【行程】8:00~12:00 ビーコンの装着、グループチェック、サーチトレーニング、ピンポインティング、シャベリング、積雪観察、弱層テスト
13:00~16:00 シナリオトレーニング(単独埋没、複数埋没)、ラインブローピング
【参加者】13名
【内容】 リーダー(Y)
何度か記録的な大雪に見舞われた当地方だが、地球温暖化の影響か、雪解けは早い。当初予定していた、深入山は積雪が十分でなく、急遽、八幡原で開催することにした。積雪は60cm程度。十分な訓練ができるか不安だったが、総勢13名の参加者の熱意により杞憂に終わった。
午前中は、雪崩レスキュー訓練が初めての参加者もおり、ビーコンの装着など、基本からはじめ、サーチ、シャベリング、弱層テストなど一通り練習した。午後は雪崩事故を想定し、シナリオトレーニングを繰り返した。初めてのメンバーがリーダー役を積極的に引き受けるなど、熱意がとても伝わってくる。
シナリオトレーニングでは、雪の中に埋めたビーコンの電源を入れ忘れてしまい、あたふたするが、逆に、入山前のグループチェックの大切さを学ぶ機会ともなった。
一つひとつの技術、判断、行動は、まだまだ磨く必要があるが、参加者の研修に取り組む姿勢は真剣であった。今後はこのような機会を増やし、会員の意識と技術の向上に繋げていくことが大切であると、あらためて感じた。
【感想】(H)
午前中にビーコンの装着方法とグループチェックとサーチトレーニング。プローブやスコップの基本的な使い方の講習。積雪観察と積雪層のコンプレッションテストをした。
午後からは実際に雪崩が発生した想定で埋没者を救出するまでの一連の流れを、2 グループに分かれて実践形式でおこなった。
グループチェックでは、ビーコンの機種やメーカーによって操作方法が若干違う事がわかり事前に自分のビーコンの使い方を勉強しておく事、また正常に作動するかをリーダーを中心に入山前に必ず確認をする事の大事さを教わった。
サーチトレーニングでは実際の雪上でおこなうのは初めてだったが、事前に受講していた雪崩講習でビーコンの操作方法を教わっていたのでその経験が役に立った。
それとは逆に雪崩の破断面を避けて捜索を開始する事や、流されていく人を発見した場合なるべく最後まで目視で確認する事(消失点の確認)などは実際の現場でないとイメージがつきづらいと思った。
クロスサーチをする際は焦らず落ち着いておこなった方が結果的に時間の短縮になる事がわかった。
プロービングとジャベリングに関してはまず第一に人間が埋まっている事を頭に置いて作業する事が大事なので、力加減が難しかった。慌てているとどうしても力が入ってしまい雑になってしまうけど埋没者を傷つけないようにする配慮の必要さも感じた。
積雪層の観察をした際は、自分が想像していたよりも層によって見た目だけでも雪質の違いがある事が観察できた。
今回はそれほど雪崩の危険があるような弱層はなかったけど、過去数週間の天気や降雪の状況によっては自分達も入山時に確認をする必要があると思った。
午後からの実践的な訓練では指導部の方のデモンストレーションを見学した後、発生から救出までの一連の流れをグループにわかれておこなった。まずはじめに自分がリーダーをさせていただいたが、いざとなると指示の言葉が出てこない、全体を見渡して効率良く動けていない、時間が気になって焦ってしまいクロスサーチでピンポイントの場所が特定できずそこでかなりの時間ロスをしてしまうという結果になった。
実際の現場ではもっと斜度がある事が多いだろうし、二次災害のリスクも高いため慌てていても冷静さを保つ事が大切だと感じた。
グループごとにシチュエーションを多少変えながら数回繰り返したが、回数を重ねていく毎に状況に応じて何をすべきなのかそれぞれが考え迅速に動けるようになり、グループ内での声かけと連携が取れるようになっていったと思う。
書籍やインターネットで、知識をつける事はもちろん大切な事だと思うが、雪上で訓練をしないと感じれない事がすごく多かった。
繰り返し訓練をする事で確実に動きは違ってきていたと思うし、自分は今回の経験がなければ実際の現場ではまず何もする事ができないと思う。
かと言って当然、今回だけで完璧な状況判断ができるわけではないし、自分では経験不足と知識量不足をすごく感じたので勉強が必要だと感じた。
自分の命を守るためと仲間の命を救うためにどうしたら良いのか深く考えるとても良い機会になったし、訓練をする事で冬山での不安を少しだけ解消できたのでとても実りのある研修会だった。
(A)
2/19 八幡原公園で行われた、指導部による雪崩講習会に参加させていただきました。
沢山降った雪が数十cm残る八幡原で、まずビーコンの装着、グループチェック、積雪観察、弱層テスト、サーチトレーニング等の訓練を受けました。
その後2グループに分かれ、雪崩発生からのシナリオトレーニング練習をしました。
初めは要救助者1名の捜索、次に要救助者2名の捜索。
ビーコンで要救助者を探し、ポイントを見つけたらプローブで探す。
難しく、ビーコンに従い捜索するのにポイントを探し当てられませんでした。
仮に仲間が雪崩に巻き込まれて自分が捜索する立場になったら、時間に追われて的確な行動がとれるだろうか、要救助者が複数なら、仲間が沢山居ればいいけど自分一人なら無駄の無い行動がとれるだろうか、雪崩講習会に参加するとしばらくこんな自問自答を繰り返します。
雪崩発生時の対応について、年一回は練習を繰り返し行い、機器の取り扱いと雪崩発生時の初動動作に慣れる必要性を感じました。
最後に、事前の下見から当日の指導まで、指導部の皆様には感謝です。
ありがとうございました。