アマ・ダブラム遠征報告①(出国~アマダブラムBC)
10月2日 『アマ・ダブラム遠征隊壮行会in三倉岳』

広島支部ユースクラブの最高の仲間たちに壮行会を開催していただきました!
20名以上が三倉岳に集まり、全員から激励の言葉と温かい設営をしていただきました。
出発前準備に追われ、なかなか実感がわかないのですが、いよいよ明後日には広島を出発して明明後日は、もうカトマンズの地にいるはずです。
いよいよです!しっかり皆の分も、良い経験をしてきたいと思います!
10月5日(1日目) カトマンズ到着
無事にカトマンズに到着。
用意されたホテルが、想像していなかった豪華さ。
今日は、ダサイン祭りで、外のお店は全て閉まっているので、ホテルでゆっくりタイムです。


10月6日(2日目) カトマンズで登山準備

天気 一日中雨だった
標高 1298m
気温 17度
体調 良し
いよいよ明日の早朝より行動開始。
今日は、一緒に登るシェルパと一緒に登攀道具のチェックを行いました。
2人のシェルパは、私たちの装備を一つ一つチェック、真剣な姿に、とても信頼を感じました。
その後、ホテルに戻り指示通りにパッキング、夕方からは、先日、マナスルから戻ってきた山田利行くんと合流して、早めの夕食と、いろいろな情報収集で楽しく過ごし、お互いの健闘を誓い少し前に解散しました。
明日の早朝より、いよいよ山に向かいます!天候が心配ですが、早くカトマンズを出たい!
10月7日(3日目) 飛行機は飛ばず

現在地 ラメチャップの近くのホテル
天気 カトマンズ小雨からの空港は晴
標高 560m
気温 31度 暑い
体調 良し 少し喉痛い
漸くカトマンズを脱出できて、山へ入れるかと思っていたが、ルクラへの飛行機が午前中しか飛ばす…
一昨日の待機していた人から順番に乗っていくので、始発便予定だったが昼ぐらいまでかかるとの事。
のんびり待機していだが、昼過ぎから、飛行機が飛ばずヘリだけが動いている。
こっちは、ええ天気なのに、ルクラは悪天で着陸できないらしい。
なんとか今日中に飛びたいと思っていたが、結局飛ばず
またハイエースに荷物を積み込み、近くの街のラブホみたいな所にチェックインしました。
さすがネパール。そうスムーズにはいかない。でも明日こそ飛んでほしいなあー
10月8日(4日目) 今日も飛行機は飛ばず
天気 朝から晴天、昼過ぎ少し雨
標高 560m
気温 31度 暑い
体調 良し 少し喉痛い
昨日の同じホテルに戻ってきました。
朝から晴天、6時前には空港着、朝から欧米人を中心に多くの登山者とハイカーが期待に胸を膨らませ集まってきている。
昨日、知り合った日本人の2人とも合流し朝の挨拶。
そのうちの1人は、始発予定、新しいチケットを持ち、待合い室に入っていく。
そこから、数時間、飛行機に動きはない…
一度、待合室から歓声が聞こえ、たくさんの人たちが滑走路へ出てきて、飛行機の前で記念写真をとって、それぞれの機内へ嬉しそうに入っていく。
多分、2日前からの人たちだ。
こっちも嬉しくなり「どんどん飛んでけー」と思いながら見送るが待てども待てども、飛行機は飛ばない…
30分ぐらいして、今度は暗い顔で出てきて、また待合室に戻っていった。
今日のハイライトはそれだけ。我々も16時半まで粘ったが、今日は一便も飛行機は飛びませんでした。
さすがヒマラヤ、簡単には行かせてもらえない。
明日は始発予定で4時半に空港に向かいます。
明日こそはルクラへ行きたい。
山の中に早く入りたい。
日向ぼっこは、もう飽きたー
10月9日(5日目) 今日も飛行機飛ばず…

現在地 ラメチャップの近くのホテル
天気 朝から晴天
標高 560m
気温 31度以上
体調 良し ここ数年で1番の食欲
朝、5時前に空港着、昨日までと違い、動きがある。
初めてチェックインに進み、3日目で初めてボーイングチケットを手にした!もうワクワクである。
それから、トントン拍子に、荷物預けと手荷物チェック、まさかのタバコとライターはダメと言われたが、それ以上に進展があった事が嬉しい。
3日目にして初めて、搭乗待合室に入れた!空は青いし、周りの皆んなも明るい笑顔。
しかし、しかし、そこまでだった。
飛行機は全く動こうとしない。そのまま時間だけが過ぎていく。
もう待機慣れした我々は、それぞれ落ち着く場所を探し、淡い期待をしながら、時間を潰す。
私は大量のダンポールを見つけ、敷布と枕を作り横になっていると、いつのまにか昼前、目を開けると始発に飛ぶはずの待機4日目のオッチャンが同じように座っている。
まだ一便も飛んでない。心の中はもう、諦めモードだが、待合室が少しざわつく声がするたびに、身体をお越し滑走路を見るが、何も変わらない。
多分、何十カ国もの、いろいろな人種の皆んなが同じ思いである。
「とにかく飛んでくれー」って思っている。ざわつくたびに、目が合った外人と、ダメなのかーっと苦笑し合う。
そして、15時30分頃、今日は飛ばないと発表があり、漸く入手したチケットを返却、大量の荷物も回収し、もう我が家のようになったラブホテル風ホテルに戻ってきた。
明日、飛行機が飛ばなければ重大な決断をしなくてはならない。
明日こそ明日こそ飛んでほしい。
神頼みは好きじゃないが、ネパールの神様が誰なのか、よく分かりませんが、よろしくお願いします
10月10日(6日目) ルクラ〜モンジョ 『ヘリコプターでの脱出』

天気 小雨から中雨
標高 2835m
気温 測ってないけど、肌寒い
体調 みんな良し
食欲 大田、大野 旺盛
最大酸素摂取量 92 みんな90以上
待機4日目の14時50分に漸くラメチャップ空港から脱出する事ができた。
といっても結局、飛行機は飛ばず、ヘリコプターでの脱出となった。
昨晩のホテルで、残りの日数を考え、大金が掛かるがやむを得ないという決断となった。
皆様から頂いた支援金の多くを使う事になってしまったが、皆の支援がなければ、この決断はできず、また今日も脱出する事はできなかったと思う。
本当に感謝申し上げます。
現在、現地時間、4時40分、明日の為、眠らないといけないので手短になって申し訳ないのですが、ルクラ空港も天候が悪く、本日のヘリでさえ着陸できない中、ウダヤさんの親戚がパイロットの為、頑張ってルクラに着陸してもらった。
15時30分ルクラ着、第二便でのシェルパや荷物を待ち落ち着くと、日没間近になっていたが17時20分ルクラを出発、すぐに日は落ちヘッデン山行、しかも雨も降ったり止んだりだったが、少しでも先に進んでおきたい。
約5時間を歩き、現在、モンジョに到達した。
暗い中で歩きで、殆ど景色は見えないが、一定の間隔毎ネパールらしいお店が立ち並ぶ。
目に入るもの全てが新鮮だ。
明日の天気予報も良くない、
雨の中のキャラバンになると思いますが、高度順応しながらゆっくり進みたいと思います。


10月11日(7日目) モンジョ〜シャンボチェ

天気 曇りガス、行動中は雨降らず、今は雨
標高 3800m 過去最高高度!
気温 17時半で8.8度まだ薄着だが寒くなってきた。
体調 みんな異常なし
食欲 全員旺盛
最大酸素摂取量 大田91 吉村88 大野90 原91
昨日は遅い時間まで歩き、深夜に消灯。
今日は8時から朝食、9時30分頃ゆっくり出発。
一日、雨を予想していたが、濡れずに行動する事ができた。
初めての明るいトレキッングルートは、良く整備されていて、大きな糞にさえ気をつければ、高速道路並みである。
ガスがかかっていて、景色は少なめだったが、見た事ないほどの落差の滝が、何度も現れる。
楽しみにしていた、よくテレビで見る布が風にはためく吊り橋は、想像していたのと違い、ワイヤーと金網と立派な足場でできた安心安全の吊り橋だった。
僕のイメージは、相当昔のテレビだっただろう。
橋を渡ってからは、ナムチェバザールまで登りが続く。
登りに飽きてきた頃、ナムチェの街が見える。
こんな山奥の法面の様な処に、色合いが鮮やかな建物が無数に並んでいる。
街の中の道も当然、急な階段ばかりだが、見える景色が楽しい。
ちょうどお昼時なので、お店に入り、ゆっくり昼食、ガスが出てくる中、今日の目的地、シャンボチェを目指す。
ここまでも急坂が続き、しんどかったが思ったより早めにホテルに到着。
今現在も、ティーを何倍も飲みながら夕食待ち。
久しぶりに落ち着いた心でゆっくりしているような気がする。
天気が良ければ、エベレストが見えるかもしれないが、残念ながらガスガス。
明日の天気予報もあまり良くないが、ベースキャンプに入る頃には良くなるよ予報なので、全然オッケー!
明日は、ディーチェを目指します。




10月12日(8日目) シャンボチェ〜ディブチェ

天気 朝から一日雨、夕方に少し青空が見え初めてヒマラヤと対面
標高 3750mぐらい
気温 寒い 8度ぐらいかな
体調 大野に頭痛と喉の痛み
食欲 全員旺盛
最大酸素摂取量 大田90
一日中、雨
8時前に出発、止んだと思った雨はすぐに降り始める。
晴れていたら素晴らしい景色だろうと思う深い谷の上をトラバースしていく。
せっかく登った高度を谷底まで降っていく。
雨とガスで辛いが、村の犬たちが、ずっと着いてきてくれて癒してくれる。
谷底の店で少し休憩後、タンポチエ寺院まで、長い登り。
ここもしんどかったけど黙々と進む、ピークで昼休憩をとり、そこから30分程で今日の宿に着いた。
雨の中、景色も殆ど見えず、癒しは、ずっと着いてくる犬に話しかけるぐらい。
宿は外観はとても立派だが、進むにつれ電波環境も悪くなり、今日の宿は有料Wi-Fi、お金を払ったが、最初だけで、今は繋がらない。
布団も薄ーい布団でとても寒い。
寝袋の方が快適だろう。
充電も部屋ではできないし、そろそろ更新もできなくなりそうです。
明日からは、隊員の様子を見ながら、高度順応をしていく感じになると思います。




10月13日(9日目) ディブチェ〜パンポジェ

天気 晴れ、16時頃より少し曇、1日絶景でした!
標高 4000m
気温 日中は暑かった、夕方からは寒い
体調 大野、喉の痛み
食欲 全員旺盛
最大酸素摂取量 大田94
朝から素晴らしい絶景が広がっている。
5時前には隊長が大興奮で部屋にやってきて、赤く燃えるテンカンポチェを教えてくれた。
外に出ると四方に絶景。すぐ側の山のピークは、昨日にはなかった雪が付いている。新しい雪が降ったのだろう。
アマダブラムの最後の雪壁にも新たな雪が降ったのだろうと考えると少し緊張した。
8時から朝食をとり9時ちょうどに出発。今日は高度順応も考え90分の短い行程。
よく整備されたルートを、山々に心奪われながら、ゆっくりと進む。
すぐにカメラを向けるので、なかなか進まない中、90分でパンポチェに到着。
だんだん悪くなっていくだろうと考えていた宿泊環境でしたが、今までで1番、気持ちの良い感じの部屋とベットで驚く。
窓からは当然、神がいそうな山が見える。
いつもの様にティーを飲み、あんまりお腹も空いてないけど、昼には昼食、14時からは高度順応の為のトレッキングを往復で60分ほど行う。
大野が昨日ぐらいから、頭痛と喉の痛みがあったが、頭痛は治り喉の痛みだけが残っているようだ。
トレッキング中も何処を見ても、凄い景色。アマダブナムの登攀ラインもよく見え心踊る。
隊長以外は一歩毎に、過去最高標高の経験だ。まだ4000メートルだが、早く歩いたり、急いで作業するだけでも、やはり息苦し、不思議な感覚だ。
戻ってからは、共同水場のような場所で激冷の水で久しぶりに頭を流す。横では子どもたちが、衣服を岩の台の上で擦り、洗濯をしている。
小学生ぐらいの女の子だ。
ヒマラヤの水の洗礼も終わり、またホテルでのんびり高度順応。
明日も一日、高度順応DAYになりそうです。
明日は、カトマンズで別れた山田トシ君もやってきます。
しかも偶然同じホテル。御在所で出会い、カトマンズで出会い、ヒマラヤの小さな村で出会うって凄いですよねー。
高度順応が終わっているトシくんとは別で我々、広島隊は、まだ無理をせず身体を慣らして行きたいと思います。
さあ、そろそろ夕食、自分でもびっくりするぐらい、よく食べれてます!
PS 明日の予定が変わり、ベースキャンプ手前の小さな村まで3時間ほど進む事になりました。


10月14日(10日目) パンポジェ~アマダブラムBCへ

ベースキャンプ用荷物の関係で何度も予定が、変わりましたが笑顔のシェルパ、ミンマのおかげで荷物が予定より早くなりベースキャンプに向かう事ができることになりました。
空は快晴、目の前には登攀ラインが見えるほどのデッカいアマダブラムにエベレストを背後に背負うローツェが見える。
しばらく進み、いよいよ人気のトレッキングルートから外れ、すれ違う人も少なくなる。
我々の少し前には34頭のゾッキョが荷物を運んでいる。
4人の登山者の為に34頭である。
恐るべしヒマラヤ登山、、、ら申し訳ない気持ちになるがこれも経験。
そして、坂を登るとテントが見えた。遂に待ち望んでいたベースキャンプに到達。
予想外に大量のテントが無数に建っている。
プラネタリウムのような、大きなテントまで…テントの数の割には登山者はあまり見当たらない。
これからくる隊の為に事前に用意しているのだろう。
しかし、4500メートルの高地に凄い光景だ。
屋台でもありそうな雰囲気だったが、さすがに、それはなかった。
ここで少しトラブル。34頭のゾッキョが運んだはずの、我々のテントがない。
探してくるから、ここで待っていて言われて待っていたのだが、1時間待っても戻って来ない。
のんびりしていたが風も少しあり寒い。
我慢できなくなり動きだしたころ、漸く現れた。
連絡ミスで、我々のベースは100メートルほど上の場所だった。
結果的にこちらは、まだ我々しかおらず、欧米人のうるさい音楽もなく、歩いて5分の処に湧水まであり、景色は最高の場所だった。
名前が難しい、日本人のようなコックさんから、すぐに温かいティーをいただき、漸く腰を落ち着けあた。
夜はこの山行で初めての満天の星空に感動するが寒くてすぐにテントに戻り、贅沢すぎる暖かい寝袋に入って10日目を終えた。
大野の体調が悪く心配だ。
元々、口数は少ないが、喋るのもしんどそうだ。早く治ってほしい。



