堂倉谷本谷 アルパインユースクラブ 夏合宿 沢編

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    【日程】2022年7月16日(土)~17日(日)

    【行程】

    7月15日 ビジターセンター車中にて仮眠

    7月16日 06:10ビジターセンター-06:45日出ヶ岳-08:25粟屋小屋林道出合-10:30地池谷出会付近幕営地(タープ泊)

    7月17日 06:40幕営地-12:30遡行終了-尾鷲辻-13:38ビジターセンター=御在所岳

    【参加者】 4名

    【登山概況】 リーダー(Y・O)

     深夜に大台ヶ原に到着し車中泊。今にも雨が降り出しそうだ。深夜3時に確認した天気予報では今日は午前中から昼過ぎまで雨予報。しかも激しく降る可能性は高いと出ている。数年前に大台ヶ原の違う沢で急な雨で一気に増水した経験があるので初日は入渓せず登山道と林道を使って予定のビバーク地に向かおうと行程の変更しようと考えながら短い仮眠をした。5時起床、6時過ぎに出発。今にも雨が落ちてきそうな重い雲の下、まずは日出ヶ岳を目指す。登山道は庭園のように整備されていて見える木々は美しい。先々週にも思ったが心癒やされる山だ。今日は予定が変わり、急ぐ必要もなくなったので日出ヶ岳でのんびり休憩し、いよいよ稜線沿いに下降の開始だ。初めて歩くルートだが予想以上に整備されていて歩きやすいし、相変わらず素晴らしい雰囲気が続く。1時間30分ほどで、粟屋小屋がすぐ傍に見える林道にでた。ここで座って休憩していると少し前から感じていた雨が強く降ってきた。元々、沢装備なので構わず過ごす。元々の予定では、ここから更に30分を下ると、この堂倉谷本谷ルートの取付の堂倉滝に出るのだが今回はキャンセル。林道を右に進み左に深い谷を見ながら立派な林道を下っていく。谷が低くなり沢の音が大きくなり、遂に堂倉谷本谷と合流する立派な堂倉橋に出た。ここから少し遡上したあたりが本日の幕営予定地だ。あまり増水もしてないし入渓して進むか、林道を使うか迷ったが、ビバーク前にあまり冷えたくないので林道をさらに進みながらビバーク適地を探す。地池谷の橋を越え林道が沢のすぐ傍まで近づいたあたりで適地を発見し斜面を慎重に下ると最高のビバークへ着いた。まだ時間は10時30分だ。雨もだいぶ激しくなってきた。とりあえず焚火用と睡眠用の2枚のタープを張り、薪集め。じっとしていると濡れた身体は寒い。早く火を着けたいが、まだ午前中だ。雨も降り続いているが正午頃、ビショビショに濡れた薪に火を点ける。なかなか点かず苦労するが安定した火になり安心する。夜飯の為に竿を出したいが火が点いてしまった事により余計に火の前から離れがたくなり、かなり前から戻ってこないT1人の大漁を願いながら3人は一生懸命、服を乾かす。15時半頃、上流からTが隠せない薄ら笑いを浮かべながら戻ってきた。ジップロックには立派なアマゴが5匹入っていた。我々3人は暫くの間、立派に狩りから帰って来たTを褒め称え「オトウサン」と呼んだ。おかげで豪華な幕営飯は豪華で幸せな気分で夜を過ごす事ができた。食事の後はサプライズでHの誕生日会を行う通称、「オカアサン」と呼ばれてるIさんが堂倉谷の天然水で作ったプリンでHを祝う、余り感情を見せないHが大喜びする姿を期待していたが、いつも通りクールな感じで誕生日会は、静かに終わった。結局、寝るまで雨は止むことはなかったが、「オトウサン」が拾ってきた大量の薪のおかげで暖かく過ごしタープの下で眠りについた。翌朝、起きると期待通りの青空、久しぶりに見る大陽が堂倉谷を明るく照らしていた。離れがたい焚火から、予定より早い6時40分頃出発。二日目にして漸く入渓だ。スタート直後から広くて美しい谷が続き心躍る。なだらかな渓状に飽きてきた頃から、谷が狭くなってきて遂に滝が現れ出す。トポ図には、なんてこと無い書き方だが水量が多いのか、どれも難しく緊張感ある滝が続く。ロープも2~3度出しただろうか。稜線の空が近づいてきたが後半も滝が続き、そろそろ疲れてきたと考え出した頃、稜線が現れ、なだらかなコルに登ると登山道が現れた。あとは登山道を進み大台ヶ原の駐車場に進むだけだ。近いと思っていたが意外に大回りで遠かった。立派なカメラを持って鳥の撮影をしている人やハイキングの人たちが多い。もう少しでゴールかなと頑張って歩いていると背の低い笹の上で大きな鹿がこちらをジッと見つめている。神秘的な風景だった。近づいて行くとお尻を向け走り出す。野生の動物が自然の中で走る姿はいつも美しい。そこから間もなく、出発の地に到着、駐車場は登山者や観光客で溢れ賑わっている。焚火臭い泥だらけの我々は汚れた沢服を車の影でソワソワと脱ぎ、久しぶりにスッキリ乾いた服に着替えると身も心も生き返る。さあ、明日は御在所岳に登るぞ!

     

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