ユースクラブ 10月例会<鈴鹿山系 御在所岳 前尾根クライミング>

    【日程】2019年10月4日(金) ~ 10月6日(日)

    【行程】

     10/4(金) 福山SA集合21:00=

       10/5(土) 1:40裏道第一駐車場(新名神経由 仮眠)5:30=

                      5:40日向小屋6:00~7:05P7取付き7:10~11:30P2ヤグラ12:40~12:55富士見台展望13:00~14:40日向小屋(泊)

     10/6(日) 日向小屋7:00~8:00うさぎの耳(一の壁)10:35~11:10日向小屋11:45=広島

    【参加者】6名

    【登山概況】 例会担当リーダー N.I

    10月になってもなお暑さが残る週末、秋晴れの実りある山行となった。
    前尾根は、御在所北面に広がる美しい花崗岩の岩場で、アルパインクライミングのゲレンデとして人気のルートだ。この時期は特にクライマーに限らず登山客でも賑わうと聞いていたので早めに準備を済ませ、出発した。それが功を奏してP7取付きに着いた時には私たちパーティーの他に人影はなかった。
    M.O・N.Iペア、T.Y・T.Kペア、N.K・Y.Oペアの順でいざアタック開始。

    ・P7(M.Oリード)
    ノーマルルート(Ⅴ)核心は終了点手前のカンテに乗り込むところ。最初のクラックは中にあるホールドを見つけると簡単に登れた。
    ・P6(N.Iリード)
    クラックルート(5.9)NP下部はバンド、中間のクラックはレイバックで登るも、足の置き場が悪く滑り落ちる。ヌンチャクをつかみAOで進む。上部はチムニーを避けP6の終了点へ。
    ・P5(T.Yリード)
    P6の終了点からはっきりとした踏み跡を歩き2~3分進むとP5北谷側の取付きに到着する。どのラインでも登れそうだが先行パーティーがノーマルルート(Ⅲ)を登っていたので凹角ルート(Ⅳ)に取り付く。中間からはチムニー登りでザックが引っかかって少し難儀するも支点はカムでとれる。ピークに到着してピッチを刻む。ここからP4に向けてのコルまで、ロープを伸ばしクライムダウンし、コルに到着。
    ・P4(T.Kリード)
    (Ⅲ)凹角の直上で目立った被りもなく落ち着いて登れば問題ないと思ったが、ピッチが長く湿って岩場でのカムがどれだけ効くのか不安だった。上方でN.I・M.Oペアが支点を工作しているのを見て無事になんとかあそこまでと願いながら登って行った。
    ・P3(Y.Oリード)
    前のピッチで左側のルートから登った為、右側のノーマルルートをトラバースするように登攀を始めた。難しくはないが支点はない為、カムを2か所、小さなピナクルにスリングで支点を取った。終了点は狭くピナクルの間でセカンドを引き上げる。風が強く身体が一気に冷えた。そこからP2取付きまでコンテで進んだ。
    ・P2(N.Kリード)
    今回の前尾根で一番楽しかったピッチ。(Ⅳ)下山はヤグラのコルから降りるのでザックのデポも出来たが今回は担いで登る事に。ぱっと見はジャミングで登るクラッククライミングに見えるが、探せばジャミングだけでなくフェースにホールドもあるので見た目より楽に登る事が出来る。核心は便所と呼ばれるチョックストーンを乗越す所だが、ここは直前のチムニーの体の入れ方によって変わってくる。チムニーから乗越すときによくあるのだが、安定するからとチムニーの奥に身体を入れすぎると外に身体を出すときに恐怖感が出てくる。ここはなるべく中に身体を入れ過ぎないようにして便所を両手で抱き抱えてマントルを返す要領で乗越すのがいいだろう。便所を超えると終了点まであと少しだ。

    全体的に終了点はどのピッチもしっかり整備されている。要所にハンガーボルトはあるがカムは必要。1セット(キャメロット#0.4~4程度)で十分登れた。夜は前日から御在所岳に個人山行で来られていた広島支部会員6名と、東海支部青年部リーダー他8名と合流し、楽しい宴となった。

    翌日はM.O・T.Yペアで一の壁へ。約3時間という限られた時間の中で2ルート(Ⅳ/5,6)、左ルート(Ⅴ/5,8
    )、ダイレクトルート(Ⅴ/5.8)、4ルート(Ⅵ/5.9)という4本のルートを登った。(トポグレード/体感グレード…広島基準)
    必要なムーブはグレードの通りたが、ルートが長いので持久力と精神力が必要。到着した時は貸し切りだったが、帰るころには大勢クライマーが勢ぞろい。広島でなかなか見られない光景だった。
    登ったルートはすべてボルトルートでカムは不要。支点間隔は多少遠い。ルートは30mを超えるため、リード&フォロー方式(1ピッチマルチ方式)で登り2人ともトップアウト、左半分のルートは右から歩いて降りられる。ボルトの数はトポ上の数より多いので、長いルートはヌンチャク15本前後必要。

    他4名は藤内小屋から歩いて約20分位の登山道沿いにある目立つ岩塔、うさぎの耳ウェイクアップ5.10-にトップロープをかけて、あっという間に時間切れとなった。
    今回は、新会員のM.O君が日向小屋のご主人と知り合いと言う事で、縁あって出会えたたくさんの方々に感謝し、これからも末永く交流を深めていけたら良いと思う。

     

    【ヒヤリハット報告】
    ・トップロープをかけるときに登りで使ったロープを引く際、片方のロープを引くときに脆い岩にロープが当たり、石が雪崩のように降ってきて怖かった。(岩が脆いことは登るときに分かっていたので、落石は想定できた)
    ・新しいクライミングシューズは足が痛くて仕方なかった(Y.O&N.K)

     

    【写真添付】

    P2ヤグラ取付き
    一の壁前
    日向小屋前にて