ユースクラブ 8月例会 <北アルプス 剱岳>
【日程】2014年8月13日~8月17日
【目的】夏山合宿
【行程】8月13日(水) 広島=西条
14日(木) =立山=室堂-(雷鳥沢)-剣沢TS
15日(金) 剣沢TS-(6峰Cフェース)-剣沢TS (途中撤退)
16日(土) 剣沢TS-(雷鳥沢)-室堂=広島
【参加者】森戸隆男、池本喜浩、田村貴代子、津戸浩介、江角知子、山形岳、潤米大輝
【登山概況】森戸 隆男
8/14 入山。室堂で登山届提出。いつも何か言われるのだが今回は何も無し。天候が悪いせいか、人はそれほど多くない。雷鳥沢のテント地を過ぎた辺りで雨が降り出す。その後、雨は止んだがガス。剣沢でテント設営。明日の予報も朝から雨。とりあえず源次郎尾根に行くつもりで準備を整え、夕食の準備。
8/15 3時起床。風は強そうだが星が出ていて天気は悪くなさそう。岩登りならば途中で天候が急変しても撤退は容易ではないかと考えて、急遽8/16の予定を繰り上げた。暗い中、剣沢を下る。雪渓に降りるころには明るくなりだした。天気は素晴らしいとはいえないものの鹿島槍の方も望める天気。昼までもってくれればなあと思っていたが、長次郎谷を登って八つ峰6峰Cフェースの取付きに来たころには、すでに雨が降ったり、止んだり。先行Pはモチベーションがもう一つ上がらないとか言って降りて行った。ひどい降りにならなければ登れるだろうということで、池本-潤米-江角、森戸-山形、田村-津戸の順番で剣稜会ルート登攀開始。池本パーティが2ピッチ目を登り終えたところで本降りになり、岩の上を水が流れ出した。天候の回復も望めそうもないので撤退を決定。風も強まる。八つ峰、源次郎のルンゼはアッという間に滝になった。本日は小屋泊とする。テント地に帰りつくとテントは風で倒されていた。近くのパーティがテントの上に石を載せて飛ばされないように処置してくれていた。新品の6人用のテントもポールが曲り、ひどい状態に。思った以上にひどい天気になった。小屋泊にして正解だろう。天気の回復が望めないので翌日の下山を決定。夜は残った食糧で宴会モード。
8/16 小屋の中で快適な一夜を過ごす。雨は降ったり止んだり。風が強い。立ち止まると寒いのでゆっくり歩く。こんな雨の中を登ってくる人がいるのには感心してしまった。広島には翌日早朝に帰着。
【感想】
[田村]
雨後現れた数々の滝、そこを落ちてくる岩。今朝通った足下の雪渓大崩壊、壊れて飛ばされたテント・・・。自然の猛威の前に茫然、天候の予見や撤退の見極めが非常に大切であることが身に染みました。(あとは逃げ足の速さを可能にする体力!)
[江角]
楽しみにしていた夏合宿だけど悪天候のため不完全燃焼で終わってしまいました。この合宿を目標に4月から頑張ってきたので頂上を踏むことはできなかったのがすごく残念ですが少しの間だけでも期待していなかったステキな景色をみることができてうれしかったです。20キロを超える荷物を背負って歩くこと、風や雨が強い日に歩く
というのも初めてだったのでいい経験ができました。2日目は八ツ峰6峰Cフェースを中止してテント場に戻るまでの雪渓歩きはうんざりするくらい長く感じ途中で何度も立ち止まってしまいました。このお盆休み、北アルプスでは遭難事故も起こっていたようです。またしっかり準備、トレーニングをして改めてチャレンジしに行きたいです。
[潤米]
初めての本チャン、バリエーションルートということで不安もありつつもワクワクがそれを凌駕し訳のわからない心境だった出発前。天気予報は荒天を示していたが、何とかなるっしょと楽観的であった。しかし現実は無情だった。
晴れ間や曇りもあったにはあったが、後から振り返れば雨の印象しかない。本チャンもバリエーションも味わえず、テントが潰れているのに寒さと疲労で何も出来なかった無力感ばかりが頭に浮かび、初めて山を楽しめていない自分を見た。
山はツンデレだ。荒天でツンツンと厳しい一面を見せたかと思いきや、素晴らしい景色でデレッとした表情を見せてくれる。僕は初めてSっ気たっぷりの山の一面を知り、山の女神に翻弄される自分も悪くないな、とより一層山への愛を深めたのである。