雪崩講習会
【日程】2026年1月24日~25日
【行程】
■1月24日(土) 17:30〜20:00 座学(シャンボール広交ゲストルーム)
17:30 雪崩リスクマネジメント
18:45 AvaSAR
20:15 懇親会
■1月25日(日) 9:00〜15:30 実技(臥竜山麓八幡原公園)
9:00- 9:10 準備・オリエンテーション
9:10- 9:40 2班に分かれてグループチェック
9:40-10:30 プロービング
10:30-11:20 2班に分かれてシャベリング
11:20-12:00 昼食休憩
12:00-13:40 エアポートアプローチ
13:40-15:20 CRT(コンパニオンレスキュートレーニング)
15:20-15:30 質疑応答・記念撮影・解散
【参加者】座学33名、懇親会15名、実地14名
【概況】(Y.T)
広島支部では毎年開催している雪崩講習会ですが、今年はご縁があり、雪崩事故防止研究会の大西人史さん外部講師にお招きしました。
1日目は座学を行いました。前半は雪崩リスクマネジメント。そもそも雪崩に遭遇しないために、どう行動すべきかという、予防について学びました。後半はAvaSAR(雪崩捜索&救助)。万が一雪崩事故が起こった時、生存救出するために必要な知識を学びました。
大西さんの講義は、登山者目線で非常に分かりやすく、ユーモアを交えたお話に、全員がぐいぐいと引き込まれました。その後の懇親会も山の話で大いに盛り上がりました。
2日目は北広島町の臥龍山山麓で、AvaSARの実践的なトレーニングを行いました。
最初はグループチェック、プロービング、シャベリング、エアポートアプローチと基礎を何回も繰り返し叩き込みました。ただ手順をなぞるだけでなく、なぜその動きが必要なのかという、理由を論理的に説明されるため、納得感が違います。
その後、コンパニオンレスキュートレーニングを行いました。ビーコンのSENDモード自動復帰機能や近接複数埋没により捜索が乱れるシーンもありましたが、最初は戸惑っていた参加者も、繰り返すうちに動きが機敏になり、チームワークも目に見えて向上していきました。
大西さんの指導と、参加者の熱意により講習会はとても充実したものとなりました。
【感想】(Y.H)
支部の雪崩講習会の参加は2年ぶりだった。2年前との違いは、講師が外部の雪崩専門家だったことだ。それだけに、参加者は多くのことを学ぼうと、一層気合が入っていたと思う。
ビーコンのグループチェック、プロービング、シャベリング、エアポートアプローチといった基礎を学んだ上で、実践のコンパニオンレスキュートレーニングを行った。生存確率の高い10分以内に埋没者を見つけ救出するために、参加者は走りにくい新雪の上を必死に走り、大きな声で仲間とコミュニケーションを取り、スコップで雪崩埋没者を掘り出す。いかに短時間で救助するか、みんなの気迫と動きは素晴らしかった。こういう支部の仲間と雪山に行くのは心強いと感じた。
支部の雪崩講習会に参加する意義を私はここに感じている。外部講習会に参加するのは新しい知識を付けるためには良いけれど、実践講習の場合は一緒に雪山に行くメンバーと練習をし、何をしなければならないのか、どういう流れで助け出すのか、誰がどういう役割をすればもっとも早く助け出して生存確率を上げることができるのか、を山行パーティーのメンバーが互いに理解しておくことは重要と思う。誰しもビーコンをスイッチONにして救助してもらえるようにはしているが、自分が仲間を助ける側になった時には何をしなければならないのか、実際に被害にあった時に後悔しなくて良いよう山行パーティーのメンバーには知っておいて欲しいと思う。今回の実践トレーニングにより、埋没者が3人いた場合には、全員を生存状態で救助することは極めて難しいと実感してしまったけれど…
(Y.Y)
1月24日・25日の2日間、日本山岳会広島支部登山技術普及委員会主催の雪崩研修会に参加いたしました。アルパインへの挑戦を見据える中で、雪崩リスクの管理は避けて通れない課題であり、非常に身の引き締まる講習となりました。
初日の座学では、雪崩のメカニズムとリスク評価を深く学びました。特に印象的だったのは、弱層形成のプロセスです。気温の上下による温度勾配が「こしもざらめ雪」などの弱層を発達させ、その上に積雪(スラブ)が載ることで発生する「面発生表層雪崩」の恐ろしさを再認識しました。また、完全埋没時の生存率が約50%まで急落するというデータや、事故原因の83%がヒューマンファクターであるという事実は、技術以前に「危険な場所に行かない」「過信しない」という判断力の重要性を物語っていました。地形(斜度30〜40°の危険性)や天候の変化を常に意識し、リスクを最小限に抑える行動を心がけたいと思います。
翌日の北広島町臥竜山麓八幡原公園付近での実地訓練では、座学で得た知識を技術へと落とし込む作業を行いました。三種の神器(雪崩トランシーバー、プローブ、シャベル)を用いた雪崩捜索・救助方法を学び、パーティーを組んでのシナリオトレーニングも実施されました。実際に体験してみると、冷静さを保ちながら短時間で効率よく捜索することがいかに困難なことであるかを思い知らされました。特に強く記憶に残っているのは、講師の大西先生が身を張って雪に埋もれる役を引き受けてくださった訓練です。私が捜索中に残留物を確認していた際に、雪の中に何か人の足のようなものが埋もれているのを発見した瞬間、これまでにない衝撃を受けました。まさか訓練で人が埋もれているとは考えていなかったため、無事に救助できた際の安堵感とともに、現場の緊迫感を肌で感じる貴重な経験を得られました。
今回の講習会では命を守るための知識と技術の重みを学ぶことができました。ご指導いただいた大西人史先生、スタッフの皆様にはこの場をお借りして感謝申し上げます。本講習会を開催してくださり、誠にありがとうございました。目標とするアルパイン山行に向け、今回学んだ安全意識を常に携え、研鑽を積むとともに、山行メンバーに対する知識共有にも努めてまいります。
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