ユースクラブ(個人山行)<伯耆大山 甲川(沢登りと沢泊)>

【日程】2025年8月2日~8月3日
【行程】
日付 |
地点名 | 到着時刻 | 出発時刻 |
8/2 | 香取展望駐車場 | ||
〃 | 出渓点付近道路 | ||
〃 | 鶯橋 | ||
〃 | 入渓 | 9:56 | |
〃 | 天王滝 | 11:05 | 11:41 |
〃 | 足払いの滝 | 12:20 | 13:23 |
〃 | 冑滝 | 16:17 | 16:40 |
8/2 | ビバーク適地 | 17:06 | 8:13 |
8/3 | |||
8/3 | 渦巻きの滝 | 9:15 | 9:25 |
〃 | 出渓点 | 9:30 | 9:55 |
〃 | 車デポ地点 | 10:20 |
【参加者】4名
【登山概況】 リーダーO
2021年9月に沢の先輩に沢泊装備で連れて行ってもらい、白く泡立つ水面と今までにない水温の低さに、アッという間に【心が折れ敗退、幕営地で食べるはずだった夜飯のお肉を入渓点に戻り鶯橋の欄干の下で食べて広島に帰るという、無様な山行になった思い出の沢だ。それから、いろいろな場所に沢登りに行ったが泳ぎがあまり得意でない私は甲川に戻ってくる事はなかった。あれから4年、泳ぎの得意なメンバーとパーティーを組み、遂に甲川に戻ってきた。全国的な雨不足もあり、水量は少なく水もあまり冷たくないかもという淡い期待もあり、何日も前からワクワクしながら出発日を迎えた。
香取展望駐車場にて前泊、虫も少ないし満点の星空、暑すぎる事もなく快適な場所だった。集合は朝の9時なので、ゆっくり寝ていてもいいのだが、いつもの起床時間の6時ぐらいには、目が完璧に覚めてしまい、ワクワクしながらザックから一度、荷物を出して再度パッキングしたりしながら、のんびり待っていると9時前には全員集合、出渓地点に1台、車をデポをして遂に4年ぶりに鶯橋に戻ってきた。橋のたもとから下ってすぐに入渓、直後の感想は「あんまり冷たくないかも!」だったが、暫くすると、やはり今年入ってきた沢と比べると断然冷たい。この後、ゴルジュやシャワーを浴びると、どんどん冷えて震えていくのであった。入渓後、しばらくは普通に歩ける感じが続くが、すぐに泳がなければならないゴルジュとなる。登攀リーダーのHを先頭に泳ぎ始め、白く泡立つ水流を目指す、簡単に上がれると思ったが、やはり泳ぎが苦手なオレは、スリングヘルプ(笑)初心者のIは、ほぼパニックな感じでスリングに全体重を掛けるので、男二人で引っ張り上げる。いきなり楽しくてしかたない。最初の泳ぎを越えるとすぐにスラブ、飛び込みと続き、天王滝へ、次から次へとアトラクションが現れ、本当に面白い沢だ。天王滝から見えるゴルジュの先にある白く泡立つゾーンが本日の最初の核心だった。冷たい水に、もう身体は震えているが進むしかない。この核心で1時間ぐらい費やす。この後もゴルジュの連続するが、幸い太陽の光も差し込むようになり、光合成もできるようになり良かったが、やはり休憩後もすぐにゴルジュが続くのでツライ。そして、楽しみにしていた足払いの滝へ到達。ここは先頭で行かせてもらう。水量が少ないせいか予想外にあっさり超えられたので、少し残念だったが、まあしかたない。後からくる3人を待つ。一人ぐらい失敗して流されないかなーと思ったけど残念ながら全員成功。。。足払いの滝後の滝でも、かなり苦労する。皆で協力して超えた後、最初の休憩、その後もどんどん進むが、次々と現れるアトラクションは楽しいけど、結構ハード。どんどん時間も経っていき、そろそろビバークを探さないと思いながら進んで行くが4人が快適に過ごせる場所は見つからない。時間も刻々と迫る中、冑滝に到達。ここを越えれば、少し先に幕営地適地がある事は事前に調べていたので少し安心していると、パーティーの1人が「スマホ落とした!」しかも、iPhone15PROの高級品!バックアップのワイヤーも千切れている。簡単に諦める訳にいかず、心当たりの場所まで戻り大捜索!そして諦めかけた頃、なんと岩の隙間の水中で発見!!無事に回収して冑滝に戻る。なぜか登攀ラインには、綺麗な残置のFIXロープが下がっていたので時間もないし、ありがたく使わさせてもらい越えて行く。次回はちゃんとリードしたい。越えても暫く幕営地はなく、焦りながら進むと漸く適地を発見、急いで準備と薪拾いをして最高の夜を過ごしました。アルミ付きのシェラフカバーだけで寝たのですが夜中に寒くて目が覚め、その後、なかなか眠れなかったのですが雨具を着込むと、だいぶ改善されて眠る事ができました。翌日は登攀が難しい箇所は少なかったが、泳ぎもあるし、それなりにアトラクションもあり充実した2日間になりました。
【感想】I.J
先日は鳥取の伯耆大山、甲川に沢登りに行きました。今回僕が参加した動機は、日本百名谷の一つで写真や動画を観るととても綺麗でした。又、沢登りで有名な甲川に行ってみたいと前々から思っていた所、丁度募集あり参加しました。行く前から、ようやく甲川に行けると思うと、楽しみでワクワクが止まりませんでした。当日は天気良く、朝から晴れており、絶好の沢登り日和でした。
入渓時は汗をかく位暑かったので、水に浸かると気持ち良く感じました。しかし、それも束の間で徐々に真夏の川にしては水が冷たく感じだし、泳ぐ所も多かった為か、寒くなる程でした。泳ぐ場所が続くと、休憩すると寒くて、次に入水するのが辛くて若干嫌になる程でした。又、水が綺麗で透明度が高く水中が良く見えました。しかし、不思議な事に、魚は一匹も見当たりませんでした。序盤はフェルト底の沢靴のフリクションが効いていましたが、中盤から終盤はツルツル滑る岩が増えて来て転け捲りました。又、岩壁や滝の登攀時も、一部ヌルヌルのツルツル箇所があり、やれんかったです。
夜は初めて山の中に泊まり、何もかもが新鮮でとても良い経験になりました。メンバーと一緒に焚き火を囲み呑むお酒の旨いこと。疲れてお腹が空いているのと雰囲気もあり、玉葱の丸焼きや玉蜀黍・椎茸等が、今迄味わった事が無い位美味しく感じました。就寝時とても寒く、ぶるぶる震えて目が覚めてからは焚き火の番をしながら長い夜となりました。新調した寝袋があったのですが、この真夏の暑い時に要らないだろうと家に置いて来た事を後悔しました。
森の緑と岩、綺麗な水が相俟って渓相がとても良く、絶景が至る所にあり、秘境チックでした。進む度に次々と色んな滝や淵といったアトラクションが出て来て、楽しいやら怖いやらで、終始ドキドキが止まりませんでした。個人的には、そのアトラクションが難しく、今迄経験した事が無い位で、何れも全て敗退レベルでした。特に、泳ぎに関しては両足吊るは、ガチで溺れ死にそうになりました。苦しくてパニックに陥り偉い目に合い、身を持ってライフジャケットは必須だと痛感しました。そんな中、他のメンバーのお蔭で、引き揚げや水揚げして頂き、訳が分からない内に何とか突破出来ていました。
実際行ってみると想像以上に綺麗で超楽しく、大自然の中に身を置く非日常感と、思う存分遊べる幸せを感じる事が出来て良かったです。本当に諸先輩方のお力添えで、無事全行程終えると、強烈な思い出が出来た事に感謝しかありません。ありがとうございました。そして、沢山ご迷惑をお掛けしてすみませんでした。今回の沢登りは完全にレベル違いでしたが、実践を通し、身を持って学ぶ事が多く、今後に生かせたら良いかなと思います。又機会があれば、遊泳力と登攀力を鍛えて、ライフジャケットと寝袋・荷物の軽量化を図り、リベンジしたいです。
【ヒヤリハット報告】
スラブの岩で滑り台のようにして水面に降りたら、少し岩が出ていたようで尾てい骨を強打、痛みが引かないので帰広後、レントゲンを撮るが骨に異常は無かった


