アルパインシニアクラブ 7月例会<高津川水系・広高谷>

    【日程】

     2025年7月26日(土)~27日(日)

    【行程】

     26日(土)

     広島=戸河内P=9:00ツムギ狭9:30~10:50広高谷入渓~16:15ビバーク地(泊)

     27日(日)

     St 6:15~7:45出渓地~9:20額額山9:40~13:40二俣~15:15出渓地

     ~16:00ツムギ狭P=戸河内=広島

    【参加者】

     5名

    【登山概況】 例会担当サブリーダー( Y.E )

    近郊の沢2日間の例会計画は、2年前に好評だった「広高谷・つむぎ峡」に早々と決まった。広高谷の沢登りをした後、河原でビバークし、翌日額々山山頂まで登り、つむぎ峡を下ってスタート地点まで戻る。焚火やタープを張って泊まる夏ならでは体験が出来る。山行リーダーを前回と同じくM.Tさんにお願いした。

    コースは2年前とほぼ一緒だが、二日目の行程が楽になるようにビバーク地は前回より先を探す。額々山へは直登ルートではなく、沢沿いに寂地山との間の鞍部の登山道に出るルートに変更した。T.Fさんがカシミールで解りやすい地図を作成された(地名やK-1,K-2・・・17のウェイポイント入り)。印刷してこの地図を参照しながら歩くことにした。

    7月26日(土)

    連日、猛暑続きで天候の心配はなかった。つむぎ峡入口に到着すると地元の方から声をかけられ、空き地に駐車してよいと言われ、有難くご厚意を受けた。

    広高谷の入渓地まで30分以上舗装道を歩くが、歩き始めてすぐ田んぼの縁で住民の方々と大きな農業用ドローンを見かけた。二つ目の橋で入渓の予定だったが降り口が分らず、更に進んでワサビ田の作業道を横切って入渓した。

    木々の緑に囲まれた沢は涼しく、水は少なめだが充分ある。小さい滝を巻いたり、渕をへつったりしながら、楽しんだ。途中で青空なのに雨がぱらぱら落ちてきて、これが‘狐の嫁入り’?不思議な現象だった。十郎衛小屋が右手に見えたら滝が連続する。

    大きな滝が現れ30mロープを出す。F.Tさんがリードされ、大きな岩にスリングで終了点を作られた。

    終盤のF19を巻き、続けてF20も大きく巻いた。山の斜面を直登したり、設置してあったトラロープも利用した。トラバースする箇所が出て、ここが初参加のT.Tさんには核心となって怖かったようだ。沢歩きでは問題なかったが、お助けスリングや足の置場の指示で慎重に通過した。巻いた後は緩やかな沢となり、前回のビバーク地を越えて橋の手前で出渓した。岸に上がると一面草が生えている広場をビバーク地とした。

    タープ張りで川側の木にロープをかけるには1mくらい木登りが必要だった。先輩お二方(M.T、T.F)がテキパキと主導された。締める側は「ワイヤー南京」で皆で力を込めて張り、2枚のタープをかけ寝床が完成した。焚火になる枝もすぐ集められ、燃え付きもよく手早く調理に取り掛かれた。夕食は「麻婆カレースープ・とうもろこしご飯・キュウリのオイスターソース和え」。夜になると見たこともない数の星が出ていた。蛍はどうだろう?橋の上から上流に飛んでいると聞いて見に行った。

    疲れて9時にはタープの下へ。シュラフカバーだけでも寒過ぎず、沢の轟音を聞きながらすぐ眠り落ちていた。

    7月27日(日)

    朝5時前に起床。熾火から火を起こされた。朝食はA.Yさん準備の「一蘭のラーメン」で麺もスープも絶品だった。

    6時半にスタートで橋の上流側から再入渓し、沢の上流側に進む。沢が分かれている所で位置確認し、額々山山頂のある右側へ進み高度を上げていく。沢が枯れて間もなく鞍部に出た。踏み跡とピンクテープもあった。巨大な岩の塊が現れ、岩を周り込んだ道を上がると「額々山」に到着。集合写真撮影し休憩後、下山開始。稜線を北西に進むが、2年前より更に荒れ果て道は不明瞭だった。地図・GPSと地形を見極め(平坦な場所から下って谷になっている地点)下降点を見つけた。そこから細い流れの沢を下る。小さい段差の繰り返しで汗が滲んだ。足がつる人も出る。沢は登るより下る方が大変と言われるのがよく分かる。

    崖の上に出るとロープを張る相談をされていた。この辺りが二俣付近だったらしい。ここから懸垂下降を3回行なった。

    1P目はロープ2本をつないで立木にかけ、順番に一人ずつ崖を降りた。降りてすぐ次の崖で、2P目を行った。降りた場所の上は膝上くらいの釜だった。少し進んで開けた場所で3P目(二俣のすぐ下)。ロープなしでも行けるらしいが、傾斜は緩いが滑ると危なそうな岩だったので安心して通過出来た。そこから先は大きな滝や渕が続き、左岸側を巻いた。

    緩やかになった辺りで作業道へ上がる道を探しながら進むが見つからず、2年前と同じ箇所で出渓となった(ここから上流はほぼ消失している。)。辺りには薄いオレンジ色のキツネノカミソリが咲いていた。

    駐車地に16時に到着し山行を終了した。

    木々や草の緑に囲まれて、木漏れ日が差し込む美しい沢だった。焚火は何度でも楽しい。行程が長くてバテバテにはなったが、初広高谷の二人からも楽しかったーの声が聞けた。例会の定番になるとよいと思う。

    【ヒヤリハット報告】

    <頭部を虻に噛まれる>

    つむぎ峡入り口(集合場所)で待っている途中、頭部に大きなアブが止まり、気がつかなかったが噛まれていた。(その後、顔面の流血を見て知らされる。医療従事者メンバーから消毒と薬で手当して頂く。)原因:帽子を被ってなかった。アブが多い沢で、山行中も服の上から何カ所も噛まれた。アブ除け対策をした方がよい。

    【写真】

    額額山・山頂にて

    以上