ユースクラブ個人山行<西中国山地 十方山 大谷左俣(沢登り)>

    【日程】2025年7月27日

    【行程】

    地点名

    到着時刻

    出発時刻

    瀬戸の滝登山口

     

    7:20

    大谷橋

    7:30

    7:35

    金庫岩

    8:20

    8:20

    すだれ滝

    09:03

    09:04

    F4 28m(難)

    09:10

    10:35

    F5 10m 

    10:42

    10:57

    F6 落差13m・長さ25m

    11:01

    11:36

    F7 10m(難)

    11:48

    12:55

    十方山登山道合流

    13:50

    14:08

    瀬戸の滝登山口

    15:24

     

     

    【参加者】3名

     

    【登山概況】 リーダーO

    2019年に先輩に連れて行ってもらいフォロー登攀中に初めての滑落を経験、アッセンダーとロープの有り難みを初めて実感した思い出の沢、大谷左俣へ行ってきました。やはり「連れて行ってもらった」山行というのは記憶が薄く、落ちた事しか覚えていない。ずっと引っかかっていたので自分の力で左俣を全部登ってみたいという気持ちで計画した。

     3人で前泊、深夜1時頃に就寝
    予報通りの晴れ過ぎの中、瀬戸の滝登山口に車を残し大谷橋へ車で移動。橋の脇からすぐに入渓。蜘蛛の巣が多いが水は冷たくなくとても綺麗。前半は小滝ばかりの中を進む感じになる。今回の山行には、私が作るのではないが遡行図を作成するという目的もあったので、小滝が現れると「F認定」するかどうかワイワイしながら遡行していく。それにしても小滝ばかりで飽きてきた頃、久しぶりの金庫岩へ到達。金庫岩を越えるとすぐに左の沢へ入っていく。入口は倒木で少し荒れている。
     金庫岩後も、特に目立った滝はないまま進んで行くと、右岸側の奥に大きな滝が見える。ブログに見た「すだれ滝」のようだ。近くに行って見てみないと分からないが、遠くから見る感じ支点も取れなさそうで登れそうにない。このすだれ滝を左に見ながら進んでいくと、ようやくお待ちかねのF4 28mに到着。なぜか6年前の記憶はない。水量が多く登らなかった為だと思う。数日前から、たぶん水は少ないだろうし、この滝を登ってやろうと内心企んでいた。予想通り水量は少なく、チャンス日である事は間違いないが、いざ正面から見るとかなりの高さだし、かなり立っている。支点がどれぐらい取れるかも行ってみないと分からないし、抜け口も悪そう。一瞬、心が負けそうになるがチャレンジする事に。寒くはないけど飛散対策にカッパを着てフードを被り、気合いを入れロープを結んでスタート。基本は階段状なのだが、下から見る以上に支点が取りにくい。飛沫も多くクラックを探すのも大変で時間がかかる。仕方なく、かなりランナウトする場面もある。左岸側から落口付近までのぼり、滝中央に移り最後の抜けへ。抜け口の下へは、しっかりした支点が取れたのだが、上側へは取れず、かなり怖い状況で抜けなければならない。足は行けそうなのだが手がないので立ち込む勇気がわかない。最終的には、かなり甘いカチを頼りに立ち上がり、這いつくばるように抜ける事ができた。大満足の登攀となった。50mロープは半分以上出て、なかなかの絶景。引き上げ点はしっかりした木が遠かったので、右岸側の岩の穴にカムを3つ使って作った。

     その後は、すぐにF5、F6とロープを出して登り、遂に6年前の宿題、F7へ到着したのだが、さっきの登攀で満足してしまい、登れなかったら交代しようと言って仲間にリードを譲る。仲間がスタート、一段登った処にハーケンを1枚、奥まで入らずスリングでタイオフ、そこからの乗越で苦労している。岩が迫ってきてハングしているような感じになっていて難しい。立ち上がった処で上に手があるかどうかも分からない状況だ。なんとか立ち上がり、カムを入れる。そこからが6年前に落ちた核心だ。何度もムーブを探し、チャレンジするが行かれない。「交代しましょうー」って、言われたらイヤだな(笑)と思い始めた頃、まさかの「交代してくださーい」と上からコール。残念ながら交代する事に(笑)支点を残しロワーダウン。ダウン中に1つカムが外れヒヤリとする。前半はトップロープ状態だが、目の前でカムが抜けたので緊張しながら登る。核心手前のカムが抜けた場所で0.75を入れる。いろいろ突っ込んでいるとガチ効きになったので、心を決めて行くしかない。とにかく手が甘いし少しヌルってる。足も少し逆層気味で怖い1歩だ。勇気を出して立ち上がって次の手を探すがない!なんとかカチを見つけ、安定した場所に足を移せたときはホッとした。少しランナウト気味なので、右上に見える岩に240のスリングを投げて支点を取る。これで安心。最後は確実に登り、6年前の宿題も回収できた。
     F7後は小滝が続き、だんだんと水流が少なくなり遂に水の流れがなくなると、十方山特有の藪漕ぎが始まり青い空を目指す。思ったほどの藪漕ぎではなかったが登山道に出た時はやっぱり嬉しい。休憩後、もう一つの十方山の沢の核心、長い長い下り道をいろんな話をしながら下山し、無事に大谷左俣を終える事ができました。

    【ヒヤリハット報告】

    F7でリード途中で交代となり、ロワーダウン中にカムが1個抜けた。

    【写真】

    ↑ F4 28m(難)

    ↑F6 落差13m長さ25m

    ↑F7 10m(難)

     

    2025/07/27 Y作製 遡行図