ゆうゆうクラブ<山野辺の道、高取山>

    【日程】2025年5月26日~5月29日

    【行程】5/26 広島から奈良へ 奈良公園散策

    5/27 JR奈良駅8:00—8:50春日大社—9:10新薬師寺—10:40崇道天皇陵—12:00弘仁時12:30—13:10白川ダム—14:30石上神宮—JR天理駅

    5/28 JR天理駅8:00—8:40石上神宮—9:00芭蕉句碑—11:40崇神天皇陵—14:50大神神社—15:00平等寺—16:00JR桜井駅

    5/29 近鉄壺阪山駅9:10—11:00猿石—11:35高取山12:10—12:30猿石—14:00近鉄壺阪山駅

    【参加者】10名

    登山概況1 【山の辺の道】 担当リーダー(Y.D)

     今回の「山の辺の道」を歩く端緒は、NHKの紀行番組「新日本風土記」の視聴です。ナレーターの「日本最古の道の1つ」が我が琴線に触れ、すぐに座右の書である「街道をゆく」(司馬遼太郎著)をめくってみました。近江散歩・奈良散歩(24巻)の奈良編巻頭に地図(イラスト)が載っています、まさに奈良から桜井までの今回歩いたルートのものです。しかし書には「山の辺の道」に関する記述はありませんでした。司馬遼太郎が訪れた昭和60年代当時は、まだ「山の辺の道」に光が当たってなかったのではと推察されます。

     前置きが長くなりました、ここで「山の辺の道」について簡単に説明します。「山の辺の道」は、日本最古の道の一つとされる歴史ある古道です。奈良盆地の東側を南北に走り、桜井市から天理市を経て奈良市へと続くルートです。今回のルートは奈良市から桜井市を歩きました。この道は、古代から神社や陵墓を結ぶ重要な道として使われてきました。特に、三輪山の麓から春日山の麓へと続く区間は、歴史的な名所が点在し、万葉集や日本書紀にも登場する地名や伝説が残っています。水田、柿畑や梅林、古い家並みの集落など、変化に富んだ景観を楽しみながら歩くことができます。道幅が狭く、未舗装の部分も多いため、古代の雰囲気を感じながら散策できるのも魅力です。ルート上には、「歴史の道 観光案内図」「山の辺の道ルート図」分岐、要所には木製の標識がありハイキングコースとしてよく整備されています。

     初日(5/27)印象に残ったものとして万葉歌碑、嶋田神社近くにある“あをによし奈良の大路は行き良けどこの山道は行き悪しかりけり”、現代語訳“青丹美しい奈良の大通りは行きやすいが、この山道は困難なことだ”まさに「山の辺の道」を歌ったものでは?参考までに万葉集本文は“安乎尒与之奈良能於保知波由吉余家杼許能山道波由伎安之可里家利”とあります、奈良県立万葉文化館HPより引用。万葉仮名の生まれを思索するのも面白い。

     二日目(5/28)桜井市に近づくと大和三山の表示が目立つ、三山で知っているのは天(あめの)香(か)久山(ぐやま)(百人一首の有名な歌に出てくる)くらいである。残りの二つは畝傍山(うねびやま)と耳(みみ)成山(なしやま)。自宅に戻り大和三山について調べると次のような記述に接す「戦前の日本人で、大和三山の名前を知らぬ人はいないと思う。・・・・」最後には落ちがあるが隔世の感がある。引用は「万葉の山旅」楠目高明著から。

    【登山概況2 高取山】

     今回の山歩き、主題は「山の辺の道」ですが、私的には奈良まで来たら見逃せない「山城」がありました。日本三大山城の1つ「大和高取城」です。「山の辺の道」2日間約40㎞を歩いた翌日でしたが、皆さん登城に向けて意気揚々、天気も上々。近鉄壺阪山駅スタートすぐに土佐街道に入り趣ある街並み、町屋を通り砂防ダム公園進む。その先からは本格的な登城道(山道)が続く、一番の難所一升坂それを越えると猿石が得も言われぬ表情で迎えてくれる。そして国見櫓、大手門を抜けると多門櫓や高石垣が連続し多くの石垣群が現れる、圧巻である。標高584mで城下町からの標高差は446mで日本一である。山頂で昼食をとり往路を引き返し無事予定通り壺阪山駅に着き広島への帰路に就いた。

    <参加者感想>

    ・“山の辺の道歩きたい”と山楽山学から参加させて頂き、ゆうゆうの皆様と楽しく日本最古の道を歩いた。深閑とした杉木立ありのどかな田園風景あり、古墳や神社・寺も多く飛鳥・奈良時代に思いを馳せながら日頃の山登りとは違った山歩きを体験できた。

    “柿の葉寿司”で有名な大きい葉の柿畑、黄や紫の花菖蒲・白い空木の花が咲き乱れ、万葉集歌碑も点在し、三輪山をご神体とする大神神社や天皇陵が続く古墳群地域など感動しつつ長い道程を辛さあり笑いありの古道歩きを満喫した。

    ・山の辺の道天理~桜井を皆様と歩くことができ年なりの自信になりました。見たいもの見て歩き、喜んでいます。

    ・昔の人の歩いた道だからスニーカーで良いと思いましたが高取山には無理でした。反省しています。楽しい4日間でした。

    ・奈良の大和路歩き、天候に恵まれ、JRの乗継も計画通り。万葉句・神社仏閣巡りを楽しみ、大仏様のお顔を拝見して身が引き締まりました。日本三大山城の一つ高取城址の石垣が素敵でした。4日間歩き通しで痛みも出ず自分の脚に感謝です。

    ・日本最古の道、奈良県「山の辺の道」歩きの山行に参加した。何と小学生の時の修学旅行以来約70年振りの奈良県行きの出来事である。だから今回の山行には是非とも参加したかったのであるが、仕事の関係上駄目で半ば諦めていた所交代を依頼していた人から都合がついたとの嬉しい連絡が入った。ところが時は既に締め切り日を過ぎてしまっていたもののCLに無理を云って追加参加させて頂く事が出来た。

     遠出の山行、特に古き時代の古道歩きなどの機会などはめったになく、そして歩いた後の「ゆうゆうクラブ」の皆さんと夜の飲み会などの楽しい懇親会等この後出会うことが無いかも知れないと思うと今回の山行は4日間共ワクワクドキドキの連続であった。初日の若草山から春日大社、東大寺の大仏殿見学から始まり最終日の日本で最強の山城「高取城跡」まで事故もなく皆で完歩出来たことが何よりの収穫であった。皆さんお疲れ様でした。

    ・三日間歩き終えて感想の一句、「脚痛や 山の辺の道 よみがえる」

    【ヒヤリハット報告】

    特になし