アルパインユース4月例会<西中国山地・恐羅漢(縦走とテント泊)>

【日程】2025年4月12日~13日
【行程】
4/12 6:36聖湖P-7:35笹小屋-11:02砥石郷山-13:43水越峠登山口-15:05旧羅漢-16:08恐羅漢
4/23 8:37恐羅漢-11:03天杉山-12:24野田の百本松分岐-15:08高岳-16:23聖湖P
【参加者】4名
【登山概況】リーダー(O.Y)
当初、計画を考えた時の目的は初心者向けで長距離縦走とツェルト泊を経験してもらう予定だったが、参加の申込みがあったのは自立した登山者ばかりだったのと、夜から明朝まで激しい雨予報だったのでツェルト泊からテント泊へ変更。また初日の行程が獅子ヶ谷での幕営になりそうだったので強い雨が降るとテントが浸水する可能性が高く、当初の予定の十方山をキャンセルし、雨が降っても浸水がない恐羅漢の山頂を初日の目的地とした。
聖湖Pを出発、昔は普通車でも走れた十文字峠までの中ノ甲林道は落石や倒木、地割れなどでジムニーでも厳しそうなほど荒れていた。十文字峠を越え笹小屋で休憩後、Hを先頭に林道を逸れ、名も無き山の薄い藪山に入っていく。過去に比べ踏み跡は明瞭だが時折、深い藪で迷いやすい場所もある。田代へ向けての下りも降り口はわかりにくい。昔は炭焼きを生業として集落があったんだろうな~と感じる田代を抜け、いよいよ西中国山地一の急登だと思う砥石郷山へ取り付く。ワイワイ話しながら歩いていると取付を間違えてしまい、少し時間をロス、砥石郷山までは登山口から直線距離で1.2キロ、標高差520mを登らなくてはいけない。若いHとY.Hは先に進み、Y.C、Oで砥石郷の肩を目指す。ほぼ無休憩80分で山頂に到着、砥石郷の肩で待っていたHは30分ぐらい待っていたらしい。無休憩で登りきったY.Cさんは流石だ。合流後、牛小屋を経由し翌日まで営業のスキー場の隅っこを下り、二軒小屋から林道を歩き獅子ヶ谷を目指す。当初は二軒小屋から藤本新道を登り十方山を目指す予定だったが致し方ない。林道は残雪も多く歩きにくかった。獅子ヶ谷で休憩後、今日の核心になる旧羅漢へ登り始める。登山口から残雪をツボ足で進む。前半の急登を辛抱して登ると意外に長い緩い登りが山頂まで続く。1番標高の高い場所に行くも今回も山頂の大岩を発見できなかった。後は恐羅漢まで進むだけだが疲れた身体には結構しんどい。初日の目的地、恐羅漢に到着後急いでテントを設営、山頂は50センチほど残雪があり雨が降るので抜けるだろうなーと思いながら拾った竹ペグで固定。風もあり寒いのですぐにテントに入り担ぎ上げたお酒で宴会開始。歩荷も兼ねて15ℓぐらい水もあるので水作りの必要もない。暫くするとフライを叩く雨の音と共に南側から風が強くなる。Y.Cさんがトイレに行った隙に急いで準備したサプライズ誕生日会も大成功。皆、かなり酔ってきた処でお開き、朝方まで雨は続く予定なので起床時間は決めず風雨に揺れるテントで眠りに着いた。
予定では6時頃の出発予定だったが雨が続くので6時過ぎぐらいに寝袋から出て、それぞれ朝食。雨が弱まってきた8時30分にテントから出て撤収し雨具を着込んで出発となった。昨日よりグッと冷えていて風もあり寒くてテンションも下がり、台所原から中ノ甲林道で帰ってしまおうかという話もしながら台所原の分岐へ到着、少し身体も暖まり全員、やる気も出てきたので、全員一致で予定通り進む。中ノ川山までの急登がすぐに始まりピンクテープもたくさんあったのだが、突如テープが無くなり強烈な藪漕ぎが始まる。突然、ルートが無くなる訳がないと思いながらテープや踏み跡を探すが見つからない。このまま藪漕ぎが続いたらどうしよう?と考えながら藪漕ぎが続く。1126の標高点を過ぎたあたりで漸く藪漕ぎが終わり、また少し残雪が出てきてホッとする。残雪を進んで行くと雪に覆われた天杉山の山頂に到着する。野田の百本松までは夏道も出てきて順調に進む。ここからは広島支部が登山道整備をしたルート、クマザサは少なく快適なルートになっている。昨日より水が減った分、荷物も軽くなり疲れはあるものの順調に進んでいく。朝の出発が遅くなった為、奥匹見聖岳分岐にて聖岳方面に行き十文字峠へ行くか、予定通り高岳を目指すか考えたが予定通り高岳へよく整備された登山道をY.Cさんを先頭に全員揃って進む。そして遂に最後の急登を登り青い空の下に立つ高岳の山頂看板が見えてきた。一番、好きな景色である。4人揃って最後のピークを踏み、皆で固い握手。下りは走るように下り湖畔道路を歩き無事に例会山行を終えた。総距離33キロ、累積標高+2,204m、西中国山地でも素晴らしいトレーニングができる。一年に一度は十方山を含めた、このルートを歩くのは体力チェックにもなるし大きなブナの木を見ながら歩くのは西中国山地の素晴らしさを感じる事ができるオススメの素晴らしいルートだなぁと改めて思いました。
【感想】
(H.S)
半年以上ぶりに山へ歩きに行った。
当たり前だが全然身体が動いていなかった。体力もなくなっているし、筋力もなくなっていた。
参加メンバーはこの冬、山へたくさん行ってたこともありよく歩けているなという印象だった。
今年度は積極的に山へ入ろうと思っているので、そのスタートを切った山行だった。
(Y.C)
登山でもチャリでもぐるりが好きな私は、西中国山地ぐるりの計画に後先考えず、申込みをした。さてさて、「これは、まずいことになったな!」と初日に思ったことは、砥石郷山から下った夏焼のキビレだ。恐羅漢山の山頂にテントを張る計画なのに、わざわざ、二軒小屋まで下山してから旧羅漢山に登ろうと、本気でOリーダーは考えている。予想通り、登り返しは、とてもしんどく、みんなを山頂で長く待たせてしまった。何とか、恐羅漢山の山頂に到着し、テントに入った時は、正直、ほっとした。ただ、強風と雨で吹き飛ばされそうな寒々とした夜だったが、私の誕生のお祝い迄してもらって、幸せな気分だった。翌朝は、まだ雨が降っていて、計画を実行出来るか、不安だった。Oリーダーは、「台所原迄、降りて判断しましょう」と言う。雨で、残った雪面が、ズボズボ地獄になるといやだなと思っていたが、意外と大したこともなく、行こうと言ってしまった。さて、天候が少しずつ回復する中、台所原から中ノ川山までの急な登りをこなす。天杉山迄で、余り高度差もないので、順調に行くかな?と思っていたら、途中大藪が出現した。背丈ほどもある熊笹突破に、小一時間格闘した。天杉山からは、順調に高度を下げ、広島支部の登山道整備の拠点、野田の百本松に到達。
昨年、みんなと刈払いした登山道は、まるで高速道路のようだ。この頃には、青空が広がり、一気に高岳の山頂へ導かれた。三人の仲間と固い握手をし、スタート地点の樽床ダムへと下山した。私は、大好きな西中国山地のぐるりの成功に当分、上機嫌だった。
(Y.H)
毎年、大きな山に行く前に体力面が心配になる。そのため、2025年度は真面目に月に1回はテント泊での歩荷トレをしておこう思い、そのトレーニングとして参加した。初日、十文字峠から田代川の間での背丈以上の笹漕ぎがあったが区間が短く何とか突破できた。一方、2日目の中ノ川山から天杉山の間の笹漕ぎは今まで経験したことがないほど酷く、前を歩くHくんの姿がどんどん見えなくなり下山までこの藪漕ぎが続いたら歩き切れないかも、と不安になった。天杉山手前で藪漕ぎが終わったときには本当にホッとした。今回の反省点かつ良い経験になったのは初日に靴の中が濡れたこと。冬装備ではなく、レインパンツ・レインゲイター・夏靴で参加したが、残雪が多く1日目の行程が終わるころには靴の中の足先辺りが濡れており、非常に寒かった。予備ソックスは持参していたが翌日が雨予報でその予備ソックスは温存しておこうと思い、濡れたソックスをバーナーで少し乾かし、あとはシュラフ内で乾かそうと思ってそのソックスを履いて寝たが、足先が冷たすぎて眠ることができなかった。靴はというと、Yさんから頂いた新聞紙を入れていたが、テントのベンチレーションから雨が吹き込み、朝になったら新聞紙はビショビショで靴の中は前日より濡れていた。結局、朝になって予備ソックスに履き替え、濡れた夏靴を履くことになり、2日目午前中の山行は足先が冷たくて凍傷の心配をするほどだった。この反省は今後に活かしたいと思う。午後近くになり日差しが出始めてからは楽しく歩くことができ、全員で予定コースを歩き切れて良かった。
【ヒヤリハット報告】
ヒヤリではないが朝まで風雨に晒されテントポールが2か所曲がった。原因はたぶん雨により竹ペグを刺した雪が溶け深夜にペグが抜けた為だと思う。もっと深く刺しておくか、石などを探してきて強く固定しておくべきだった。
【写真】
