初級者登山教室<天応 アイゼン訓練>

    【日程】2024年12月1日

    【行程】8:30墓場駐車場9:30—9:55アイゼン尾根分岐10:10—10:55アイゼン尾根—14:15烏帽子岩山15:10—16:05銀座尾根—16:35墓場駐車場

    【参加者】12名

    【登山概況】(M.S)

    駐車場でフィックスロープ通過の練習をして、登山を開始しました。

    アイゼン尾根分岐で、アイゼン装着。

    平地ではフラットフィット(つま先とかかとを同時に地面に静かに着地)、軽斜面ではやや押し付けたり、蹴りこんだり、急斜面では、ややがに股に歩行したり、足がかりが小さな所はつま先の爪をしっかり立てて立つようにします。

    垂直かと見えるような2か所の急登でロープを張りました。支点のカラビナがロープに対しフリーの場合は、先にクレムハイストの結び目をカラビナの中に通し、スリング部分をカラビナのゲートの上からパチンと降ろして通過しました。

    カラビナがクローブヒッチで止めてある場合は、上方のロープに別のスリングをクレムハイストで巻き、ハーネスの環付きカラビナに通し上部ロープの確保を得ます。そのうえで、下方のロープのクレムハイストを解き、通過しました。クローブヒッチで止めてある支点間で確保できるのは1人まで。先行者は通過したときは必ず後行者に伝え、後行者はそれまで先行者の支点間に入らないよう注意しました。

    これを初めての方が、高所の岩場でするのは、容易なことではありません。予定より時間はかかりましたが、ゆっくり安全に登りました。このような岩場が初めての方もいましたが、アイゼンを付けていても登れたのですから、お見事でした。

    山頂では、ツェルトの使い方を習いました。

    1回では覚えきれなかったと思いますが、それが当たり前です。機会があれば自分で繰り返しやってみてください。

    初めての方には驚きと、ドキドキの1日だったでしょうが、充実した登山教室でした。

    【感想】(E.N)

    JR天応駅から歩いて集合場所の墓場駐車場まで行く。烏帽子岩山へのトライは今回が初めてで、しかもこの日がアイゼンデビューとなる。事前講習に、駐車場でロープを張り安全確保のためのフリクションヒッチ・クレムハイストの練習をした。アイゼン尾根分岐からアイゼン装着して出発。

    しばらくすると岩場が見えてきた。その斜度に驚く。ここをアイゼンで登るのか。ほぼ垂直に見える岩場に取り付く。危険個所にはロープを張って下さり、そのメインロープにフリクションロープを巻き付ける。ヒッチ部分を体より先に上方に動かしながら、身の安全を確保しつつ登っていく。

    すると、途中で何かの力が働き体が下方に引っ張られる。バランスを崩しそうになり必死で耐える。岩場を登ることに集中してフリクションヒッチを先に移動させることを忘れていたのだ。足元近くにヒッチの巻き目が見えるが手が届かない。斜度のある不安定な岩場で両手は使えない。ヒッチを片手で上に引き上げようとしてみたがビクともしない。このままではロープに引っ張られて滑落してしまう。落ち着け!危険から身を守る最大の策は、平常心と自分を信じることだと心に言い聞かせる。すると、誰かがメインロープを少し緩めてくれた。片手でメインロープを手繰り寄せながら少しずつヒッチの巻き目を自分の体の位置まで引き上げていく。自由に体を動かせるようになった。

    急場をしのぎ山頂に着いて一息つく。山頂ではビバークのためのツェルトの使い方の講習をしていただいた。あとは銀座尾根を下山するだけだ。何事もなく終えられたのは、経験と知識のある講師陣と山仲間のおかげだとつくづく思う。実り多い講習会だった。

    【ヒヤリハット報告】

     なし