アルパインクラブ(ユース)冬山合宿<北アルプス・西穂高岳 西穂山頂組>

    【日程】

     2023年1月14日~15日

    【行程】

    14日 新穂高-穂高岳山荘
    15日 穂高岳山荘-西穂高岳-穂高岳山荘-新穂高

    【参加者】:8名(内5名)

     

    【登山概況】 例会担当リーダー( H )

    今回初めて合宿担当となり、今まで講習などを行った経験もなく、私自身、試行錯誤しながら緊張しながらの合宿だった。トレーニングを積んで一人では行けない山に挑戦してほしい、冬のアルプスの絶景を見て冬山の楽しさを知ってほしい、と言う思いで西穂高に決定した。新入会員が多く、半分が初めて顔を合わせるメンバーだったが、意欲的に技術を習得しようとし、トレーニングにも熱心に参加してくれた。顔を合わせるうちに、みんなで西穂を目指すんだ、と言う仲間意識が芽生え、最終的にとても良いチームが出来上がった。これが、合宿を設定して取り組む良さだ、と実感した。本番に向け、私自身は、独標以降のルートファインディングと、いざとなったらロープで確保する、と言うことを意識して準備をした。ルートを写真・動画で頭に叩き込み、ロワーダウンや確保のイメトレをした。皆にも、DVDで西穂のルートを知ってもらい、「こんなはずじゃなかった…」と思わないように準備してもらった。14日はロープウェイ駅から山荘まで雨。雨は19:00頃まで続いた。15日は前日の雨が嘘のように快晴。テン場に戻るまで360度見渡せる絶景であった。気温が高く(予報気温は午前-2℃)雪が少なく、山頂直下でも薄い雪が被ったハイマツに足が埋まるほどで、岩もよく出ていて、急斜面ではアイゼン・ピッケルが効かずやや難しいところもあった。西穂山頂組では、行く前は山村さんが不安を口にしていたが、一切弱音も吐かず、難しい雪面もしっかりと通過できていた。頂上からの下りで、私が選んだ雪面ルートの一部に岩が出ていて悪く、クライムダウンがやや難しかった。後から聞くと怖かったという意見があり、私が登り返してでもロープを出すべきだったと思った。今回は一回もロープを使わなかったが、ロープを出す判断は、「怖かったら出すよ」と聞くのではなく、リーダーが出すべきと判断したら有無を言わさず出さなければいけなかったと、一番の反省点である。前日の雨のためか、西穂山頂にアタックしているのは我々のパーティーと、ソロの人が二人のみだった。しかし、先行者(ソロの二人)のトレースがあり、ルートファインディングではトレースに助けられたところが多々あった。「登頂するとき、これまでみんなで取り組んできたトレーニングが思い出されて、こみ上げてくるものがあった」と岩西さんに言ってもらえ、合宿担当者としてとても嬉しかった。また、登頂できたことだけでなくそれまでのトレーニングに取り組めてよかったと言ってもらえ、今後につながる合宿が行えたのではない
    かと思っている。

    【ヒヤリハット報告】

    テント設営時、4テンが、ピッケルで固定しながら設営しているつもりだったが、風に飛ばされて数メートル飛んで行った。稜線上だったら、テントが飛ばされ遭難していた。それほどの強風でなくても、テントは風にあおられるので、仮固定が甘いなら必ず一人は押さえておくこと、また、冬季のテント設営の手順を復習しておく必要があった。

    【写真】

     

     

    西穂高岳 山頂直下