ユースクラブ1月例会 <八ヶ岳>

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    【日程】2017年1月7日~9日
    【行程】
    1日目 美濃戸口-赤岳鉱泉-硫黄岳-赤岳鉱泉
    2日目 赤岳鉱泉-行者小屋-文三郎尾根-赤岳-地蔵尾根-行者小屋-赤岳鉱泉-ジョウゴ沢アイスクライミング―赤岳鉱泉
    3日目 赤岳鉱泉-美濃戸口
    【参加者】勝田 直樹、森戸 隆男、岩切 大善、井上 紀江

    【登山概況】 例会担当CL( 勝田直樹 )
    1/7天気は朝から晴れ渡れ、絶好の登山日和である。美濃戸口に車を止め出発の準備を終わらせると赤岳鉱泉に向けて歩き始める。美濃戸山荘まではつまらない林道歩きだが久しぶりの雪とこれからの
    期待に自然と足取りも軽くなっていく。本日の宿泊場所である赤岳鉱泉に到着し、宿泊手続きと荷物をまとめたら硫黄岳に向けて再び歩きだす。出発して間もなくメンバーの井上に軽い高山病の症状が出始めた。硫黄岳までの標高差考えると一気に2700m以上上がるわけだから高山病の症状が出ることがあっても仕方ないだろう。ペースを落としながら、ゆっくりゆっくりと山頂に向けて登る。
    森林限界を超え赤岩ノ頭まで出ると一気に風も強くなるが、同時に視界も開けテンションもあがる。ここまで来ればあと一歩。辛そうな井上を鼓舞しゆっくりと登らせながら山頂へ。山頂へ到着すると360°の眺望が開け、赤岳、横岳、阿弥陀岳、遠くは北アルプスまで見渡すことができる。記念写真を撮り一通りの眺望を楽しんだ後に赤岳鉱泉まで下山する。標高が下がる毎に井上の体調は回復していった。
    1/8予報では日本の南岸沖を低気圧が通過するため午後からは天気が崩れてしまう。その前に赤岳を登って降りる予定だ。たっぷりの朝食を食べ7:00に出発。上を見ると曇り空だが大きく崩れる気配はない。行者小屋をぬけ文三郎尾根を登っていく。赤岳主稜にもロープが張られているのが見える。今回もメンバーが揃えば主稜にも挑戦したかったのだが次回のお楽しみとしてとって
    おこう。山は樹林帯を抜け岩稜帯に入っていく。雪は少なく赤い岩が多く露出している。
    阿弥陀岳分岐を超え山頂へ。岩と岩の間には張り付いた氷に一歩一歩アイゼンを効かせながら登っていく。登る場所がなくなったら山頂だ。空は雲がかかり昨日ほどの眺望はないものの、八ヶ岳の主峰を登った嬉しさはこちらの方が上だろう。頂上は思っていたより風は弱く、行動食を食べることも出来た。風が止まるのは天気が崩れる前なのか、急いで下山することにする。頂上からの急な下りを確実に歩を進め地蔵尾根分岐まで下りれば一安心。と思っていたが前との間隔が空いてしまいルートを外れ若干危険な場所を通過する。やはり安心は下山までできない。その後は無事に赤岳鉱泉へ。
    小屋で昼食のカレーを食べている頃から外では雪が降り始めている。時間はまだ12時を回ったくらいだ。このまま小屋にいても暇なので初めてのアイスクライミングの場所として有名なジョウゴ沢を見に行く事にした。もちろん登れるなら登ってしまおうという狙いもある。アイスクライミングの準備をしてジョウゴ沢に向かう。赤岳鉱泉からジョウゴ沢まではすぐに行くことができる。沢をつめていくとすぐにF1が現れる。4mくらいの小さなアイスだが容易にトップロープを張ることが出来、初めてのアイスクライミングやリードの練習で使われる場所だ。そこでトップロープを張り4人ともアイスクライミングの初体験をする。F1だけではつまらないのでF2を見にいく。F2は高さ15m程度あるが、氷は薄く奥が透けて水が流れているのが見える。あまりにも氷が薄いのでアイススクリューが効くかどうか分からず登るかどうか悩んだが、登れる算段がついたので初めてのリードで登る事にする。氷の厚い部分にスクリューを打ち込みながら登っていく。氷が薄く核心部と思っていた場所を抜け長いスクリューを打ち込み安全を確保しようとしたが、最後に氷を突き抜けてしまった。これより上で落ちるような場所はないだろうからそのまま登る事にする。F2突破。やはりトップロープとは違う緊張感。落ちた事がないので効くのか分からないアイススクリュー。
    落ちそうになった場所はなかったけど、初めてのアイスクライミングで分からない事が多かったが同時に未知への挑戦は楽しかった。やはり冒険は楽しい。もっと登りたかったがタイムオーバー、赤岳鉱泉へ帰ることにした。
    1/9 朝食後荷物をまとめ美濃戸口へ下山。前日の雪で最後はノートレースとなるが問題なく下山する。
    (感想)井上紀江
    一日目の行動(赤岩の頭➡大ダルミ➡硫黄岳➡赤岩鉱泉)は16時には終え部屋でくつろぐ。
    夕食まで時間をもて余し談笑。次の日の行程を確認して早めの就寝。
    自分が持ってきても無駄だったなと思ったのは残ったペットボトル2本とGPS、ストック。少しでも荷を軽くしていればと悔やまれる。しかも必須のサングラスはケースだけで中身を忘れると言う失態。共同装備品も一番軽い物を持たせてもらったにも関わらず、情けない。
    二日目も快晴。電波が届かない為、食堂でわずかに立つアンテナを持つ勝田さんの情報とテレビの天気予報で確認し予定通り赤岳頂上を目指す。
    稜線に出るまでは無風。新雪もなく、アイゼンがよく効いて足運びは前日より楽に感じられた。
    赤岳鉱泉➡行者小屋➡文三郎尾根➡赤岳山頂➡地蔵の頭➡地蔵尾根➡赤岳鉱泉の行程は4時間半。鉱泉で昼御飯を済ませ、ジョウゴ沢F1にてアイスクライミング。トップロープで四人供クライミング
    を楽しみ、リードで森戸さん、勝田さんは何なくクリア。
    予報通り小雪がちらついてきたが、F2へ移動しリードにて勝田さんの慣れた手さばきのアイスクライミングを見て、自分に置き換えてみた。手袋つけたままのロープワーク、終了点の確保等々、まだ
    まだ学ばなければならないことが沢山あると思った。
    小屋には乾燥室もあり、ロープ等濡れた物を乾かせるのは有り難かった。
    三日目。新雪が30㌢程度積もっていたがラッセルするほどではない。
    後は下山するだけと、ノーアイゼン、ノーストレスでルンルン気分で歩くこと1時間半。しかし、地面が凍っていたため、少しの下り坂でも何度も転ぶ。
    二泊三日お天気に恵まれ、当初の計画通り全行程を一通り終わらせる事が出来て良かった。
    次は自分の体力面を強化し、ついていくだけの行動ではなく、考えや判断力をつけて望みたい。

    【コースタイム】
    1/7 7:00美濃戸~10:00赤岳鉱泉11:00~13:40硫黄岳山頂13:45~14:55赤岳鉱泉
    1/8 7:05赤岳鉱泉~7:40行者小屋~9:40赤岳山頂9:45~10:35地蔵尾根分岐~11:10行者小屋~11:50赤岳鉱泉13:20~13:45ジョウゴ沢F114:50~15:00ジョウゴ沢F2 16:00~16:30赤岳鉱泉
    1/9 7:00赤岳鉱泉~9:30八ヶ岳山荘

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