アルパインクラブ(シニア)10月例会<宮崎県 比叡山・鉾岳>

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    【日程】2021年10月22日(金)~24日(日)

    【行程】

    22日 広島==比叡山 展望台駐車場

    23日 07:30第1、第2スラブ登攀開始~12:30登攀終了~13:30Aピークよりラッペル開始~15:30下山==鹿川キャンプ場泊

    24日 5:20鹿川キャンプ場~6:10鉾岳スラブ取付~6:30第1パーティ登攀開始~12:30第3パーティ登攀終了~13:50鉾岳スラブ取付~14:45鹿川キャンプ場==広島

    【参加者】6名

    【登山概況】 例会担当リーダー( Y.T )

     7月中旬に計画を立て、参加をするのであればフォローだけで登るのではなく、2人一組でパーティーを組みツルベで登りましょうとミーティングで決めました。それから3ヶ月、出発直前まで参加を決めたメンバーは緊張感すら感じるほど、週に2回以上の練習、そして岩場の情報収集などをしている姿をずっと見ていたので今回の例会は、とても楽しみでした。一日目は比叡の岩に慣れる為に第1スラブと第2スラブに分かれて登攀、翌日の本番に疲れを残さない為に無理せずゆっくり、下から登攀者がいなければトップアウトせずラッペルで降りてもいいですよという感じでスタートしました。比叡山の岩は広島と同じ花崗岩ですが練習をしてきた三倉や天応よりフリクションが良く、何処でも立てるような感じの岩である。第1、第2スラブともに支点が少ないし、ピッチによっては全く支点のないルートある。明日の鉾岳も同じように支点は少ないので、良いメンタルトレーニングもなった。結局、3パーティーとも順調に登りトップアウト後は稜線歩きをせずAピークからニードル方面へ2ピッチのラッペルで下る事にする。人数も多いし、下からの登攀者もあり岩壁で長時間、待機したりラッペルに時間が掛かりすぎたのは反省。無事に1日目を終え鹿川キャンプ場へ移動し、美味しい料理とお酒と焚火で楽しい前夜祭となった。

     翌朝、4時起床、気温は一桁前半だろう。冬仕様になっていない身体には凄く寒い各自、朝食をとり暗闇の中、取付に向け出発。はやる気持ちを抑え、ゆっくりと歩く、取付手前の登山道から外れる場所で、先頭を譲り直ぐ先の取付に皆に先に行ってもらう。目前に現れる日本一の一枚岩の大スラブを見て欲しかったからだ。緊張感からか感動からか薄暗いからなのか、思った以上に反応は薄かった。(笑)頑張って早く出発したので取付には当然、誰もいないが後続パーティーが早めに来る可能性はあるので早速、登攀準備し大田-若槻から登攀開始。巨大すぎる岩で距離感がおかしい、2ピッチの終わりの立木まで1ピッチで行けるのではないかと思う錯覚が起きるが1ピッチ目の終了点は、直ぐ目の前の棚っぽくなっている処だ。それでもロープを40mぐらい伸ばす。それぞれが、しっかりと練習してきておかげで、思っていた以上に順調に前半のピッチを終える。良く写真で見る7ピッチ目の横断バンドを越え、6人が充分休める8ピッチ目の取付で後続パーティーを待つ。全員が揃ってから、一つ目の核心の8ピッチ目を若槻から登攀開始、下から見る感じでは手も足もないスラブである。支点も相変わらず少ないので、余計に難しくなる。2ピン目までは順調に登っていったが、2ピン目の少し上でフォール。直上ルートなので危険は少ないが下から見る我々には緊張が走った。その後、気を取り直し見事、核心の8ピッチ目を登り切った。Wさんのファイトに皆、気合いが入る。9ピッチ目がルート内で最高グレードのⅤ+、ルーファイが難しい、何度かフォールがあったようだが怪我なく全員が越えてきた。あとはビクトリーロード、巨大坊主岩の下を恐る恐るトラバースし、疲れた身体で最後のクラックを登ると雌鉾岳のピークに出る。核心のピッチを越えてきた皆の顔も明るい。一足先にピークで待ち、後続パーティーを迎える。やり切った登り切った爽やかな嬉しそうな顔に、久しぶりに感動しました。ここに立つ為に出発直前まで、練習をしてきた姿を見てきたからだと思う。やはり目標があり、それに向けて練習をしてピークに立つというのは良い流れだと思いました。次回は何処を目標にしようと考えなら広島への帰路となりました。

     

    【感想】Y.N

     例会初日の比叡山第一スラブは二度目だった。ただし前回はリードの後をただついていった感じで、今回は自らルート選択し交互にリードした。その点で充実したクライミングになりました。

     2日目の鉾岳大長征ルートは恐怖感と緊張感で体がガチガチだった。(何度も事前に練習したのに・・・)

    ただ、頂上についたときは安心感でメンバーからいただいたミカンがこんなにおいしかったのかと、ため息が出た。 リーダーをはじめ皆様に感謝いたします。

     

    【感想】F.T

     早い時季から、トポ図と動画を提供して頂いた。動画を見れば見るほど、こんな高度感のある所を本当にリードが出来るだろうかと心配だった。「トクモトの終了点(スラブ)をリードが出来れば、大丈夫」との言葉を頼りに練習をしたが、クリヤしたのは3日前。少しは何とかなりそうとの思いだったが、途中撤退を覚悟での参加となった。スラブとトラバースの多い、鉾岳(大長征ルート)は緊張が続く登攀であったが、前方を行く若槻さん、西村さんの頑張る姿を見ると私も頑張れた。最終ピッチを登り切ると達成感を感じた。今回、ペアを組んだ西村さんはもちろん、一緒に参加した仲間に感謝しかない。

     

    【ヒヤリハット報告】

    大長征ルートの核心ピッチでのフォールがあった。アルパインルートでは支点も少なく、なるべくフォールは避けたい。余裕を持って登れるよう練習が必要。

     

    【写真】

    【11ピッチを登りきり全員登頂!雌鉾岳山頂にて】
    【7ピッチ目】
    【日本一の一枚岩大スラブ 1ピッチ目】

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