アルパインクラブ(シニア) 8月例会<台高山脈 東川(シオカラ谷)遡行>

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    【日程】

     2019年2019年8月22日~8月25日

    【行程】

     8月22日(木) 広島19:30=

     8月23日(金) =1:35大台ケ原ビジターセンター駐車場(仮眠)7:00~7:40日出ケ岳と堂倉山分岐7:50

      ~8:30シラサコ(白カゲ)1405m付近~白崩谷降下(1320m付近)9:25~1150m付近(途中撤退)10:20

      ~11:30登山道(1353m付近)~13:50ビジターセンター駐車場14:30=15:00民宿まつもと

     8月24日(土) 民宿まつもと6:00=6:40ビジターセンター駐車場7:25~8:00シオカラ谷(吊橋)

      ~8:05東の川本流への降下地点(滝見尾根)~9:40 1220m付近9:50~10:10東の川本流~10:15西の滝直下(ビバーグ)

     8月25日(日) 西の滝直下6:50~9:00 1150m付近9:10~9:55高倉滝~11:00東の滝11:05~11:30シオカラ谷(吊橋)12:00

      ~12:40ビジターセンター駐車場13:30==広島

    【参加人数】 4名

    【登山概況】 例会担当リーダー(T.M )
     台高山脈は奈良県と三重県の県境に連なる山脈である。山脈の北は三峰山(1235m、三百名山)高見山(1248m、三百名山)南には大台ケ原(最高点は日出ヶ岳1695m、百名山)がある。高見山と大台ケ原の一文字ずつを取って「台高山脈」と呼ぶようになったのであろう。台高山脈の西隣には「熊野古道・奥駈道」で有名な大峰山脈が並行している。
    この二つの山脈の間に割って入っている谷が吉野川と北山川である。吉野川は伯母峰峠から北に流れ下流では紀の川となって和歌山市に至っている。北山川は南に向かい十津川と合流して熊野川となり新宮市で太平洋に流れ出る。大台ケ原の東は冠松次郎が絶賛したといわれる大杉谷でここには登山道、山小屋が整備され多くの登山者が訪れている。大杉谷は宮川を経て伊勢神宮の方に流れていく。西側には北山川の支流の東の川が切れ込んでいる。東の川には登山道はなく、ほとんど人の手が入っていない。スケールの大きさでは関西屈指の沢であろう。今回の例会では大台ヶ原の山頂から白崩谷を下降して東の川に降り立ち、西の滝(落差140m)、中の滝(落差250m)の下を通り、シオカラ谷を経由して大台ヶ原山頂に戻る計画を立てた。2泊3日の行程である。
    出発前はいつもお天気に気をもむ。今回も前線が停滞し、悪天候が予想されたが山の天気予報では前線の通過時に時間雨量1㎜程度の雨が降る予想になっていた。しかもここ1週間ほとんど雨は降っていない。この程度の雨であれば何とかなるだろうと考えて、予定通り出発することにした。

    8月23日(金) 

     早朝に大台ヶ原ビジターセンターに到着。霧雨。しばらく仮眠。夜が明けて天気を観察していると時々パラパラと雨になる。予報では昼前ごろ雨になると・・。しかし時間雨量1㎜と表示される。少し迷ったが出発。尾鷲辻から先の尾鷲道は登山道が荒れているとの記録があったが綺麗に整備されており、迷うことなく1362mを過ぎたあたりの下降予定地点に到着。この時点では雨は降ったり止んだり。下降することにしてハーネスなどの道具を身に着ける。一つ目の滝を下ったあたりから雨量が俄然多くなり、二つ目の滝の下降ルートを見ている間に水が濁りだした。この滝を下るにはラッペルしかなさそうでラッペルすると戻ってくるのは難しくなる。雨の降り方から判断すると下流の方は水嵩が増すことは容易に想像できたので簡単に引き返せるうちに戻ろうということで撤退を決めた。
    尾鷲辻まで戻ってしばらく休んでいると体が冷え切ってしまい、完全に戦意喪失。とりあえず一旦ビジターセンターに戻って濡れた服を着かえることに。Y.O君がネットで近くの民宿を見つけて連絡を取ってみたが通じないので直接行ってみることに。結局その日はその民宿に宿泊することになった。風呂付、自炊ができたので持って行った食料が無駄にならずに済んだ。おまけに夕方くらいには晴れ間も出てきたので濡れものを乾燥させることもできた。

    8月24日(土)
     朝から雨模様で、重たい気持ちを引きずりながらビジターセンターに上がる。ビジターセンターで準備を進めている間に晴れ間も見え始め、気分も晴れてくる。滝見尾根を下りだすころにはシオカラ谷の水量が気になり始めていた。下るにつれ西の滝、中の滝の威容も見え始める。水量がやけに多いように感じられた。
    滝見尾根は踏み跡が明瞭で簡単に下れるが、一般の登山者には危険であろう。
    滝見尾根を下り終え、シオカラ谷の対岸に渡る。シオカラ谷の水量は多いものの遡行ができないほどの水量ではない。今晩一晩でもう少し水量は減るだろう。今晩はここでビバークし、明日シオカラ谷を遡行することにする。ほとんどの記録は西の滝の合流部より下流でビバークしているようであるが、かなり遠いので適当な場所を整地してビバークすることにした。タープを張り、薪を集めビバークの準備が終わるとあとはマッタリと滝を眺めて時間を過ごす。夜はN.Wさんがご馳走を準備してくれた。
    8月25日(日)
    朝起きてみると水量は前日より目立って減っている。それでも滝をどんどん直登できるような水量ではなさそうである。食事と後片づけをてきぱきと済ませ出発する。途中高巻き2か所(いずれも右岸側)、ロープは2か所で出した。T.UさんとY.O君にリードを任せたがほぼ完璧にこなしてくれた。シオカラ谷は滝が連続し河原はほとんどない。ほとんどの滝は直登していけるらしいが、今回は水量が多く直登は避け、滝の両サイドの岩を登るようにした。東の滝を巻き終わるとナメになり、すぐに吊橋に出た。初日の撤退を帳消しにしてくれる素晴らしい登攀であった。

    【ヒヤリハット報告】
    特にありません。

    【写真】

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